新海誠『秒速5センチメートル』初の実写化 最も信頼する俳優、 SixTONES・松村北斗を起用
新海監督にとって、自身のアニメーションが実写化し公開されるのは今回が初となります。新海監督は作品について「『秒速5センチメートル』は、とても未熟で未完成な作品でした。しかしその未完成さ故に、今でも長く愛し続けてもらえている作品でもあります。初期衝動――未知への憧れと畏れだけをただぶつけたあのような映画は、今の自分には決して作れないでしょうし、再現も出来ません」とコメント。実写化にあたっては、「奥山(由之)監督をはじめとした若く熱心なチームがふたたび『秒速5センチメートル』に向き合ってくれていることに、私はとても興奮しています」と気持ちの高ぶりを伝えています。
主演の松村さんについては「最も信頼する俳優である松村北斗くんに主演をつとめてもらえることにも、人生の不思議さを感じます」と明かし、「どうか、皆さんの今でしか作れない映画にしてください。誰よりも完成を心待ちに、応援しています」とエールを送りました。
起用について松村さんは、「僕自身、何度も見返してきた作品だからこそ、重責を日々感じています。この原作はたくさんの方の人生に深い影響を与えてきました。ファンの皆さんはそれぞれの解釈と世界を持っていて、僕もその一人です。そんな作品の実写化に未熟な僕が参加するのかと一歩踏み出せないでいました」と、不安を吐露。
しかし、そんな心境の中、出演を決めた理由について「新海さんから言っていただいた『北斗くんで見たいですね』というお言葉が挑戦する理由をくれました。『秒速5センチメートル』に影響を受けて憧れてきた者が集まったチームで作る今回の作品。原作チーム、ファンの方への敬意を胸に挑ませていただきます」と、意気込みと共に語りました。この作品は、松村さんにとって初の単独主演映画になるということです。
松村さんが演じるのは、主人公・遠野貴樹。作品は、転校生・篠原明里と心を通わせた小学生時代、明里と離ればなれになり、種子島で過ごした高校生活、東京で働きながら漠然とした閉塞感と焦燥感をかかえ過ごす30才を手前にした青年期と、貴樹の18年間にわたる人生の旅が描かれます。劇場アニメーションは新海監督にとって3作目の商業公開作品にあたり、2007年に公開されました。