×

休演していた尾上菊五郎 国立劇場の閉場に「寂しい思いでいっぱい」

2023年10月30日 21:35
休演していた尾上菊五郎 国立劇場の閉場に「寂しい思いでいっぱい」
歌舞伎『お祭り』 中央:片岡仁左衛門さん(提供:国立劇場 撮影:二階堂 健)
東京・千代田区にある国立劇場で29日、閉場記念式典が行われ、歌舞伎俳優で日本俳優協会の理事長である尾上菊五郎さん(81)が劇場への思いを明かしました。

施設の再整備のため10月末をもって、一旦閉場し、建て替えることを発表していた国立劇場と隣接する国立演芸場。これまで歌舞伎や文楽、日本舞踊などの公演が催されてきましたが、この日をもって国立劇場は57年、国立演芸場は44年の歴史に幕を下ろしました。

閉場記念式典では、片岡仁左衛門さんによる歌舞伎『お祭り』などが記念上演されるほか、体調不良のため国立劇場の閉場に伴う“さよなら公演”を休演していた菊五郎さんのコメントが、中村時蔵さんによって代読されました。

菊五郎さんは「今から57年前、この国立劇場が初めて開場した時の驚きと感動は今も鮮明に記憶しております。長年親しみ、出演してきたこの国立劇場としばらくお別れするのは本当に寂しい思いでいっぱいです。思い返しますと、この舞台で演じてきた数々の役が走馬灯のように浮かんでまいります。しかし、またいずれ立派な劇場として再開場する日を楽しみに待ちたいと存じます」と思いを明かしました。