新時代のランドセルは“サブスク”や“消耗品として” 広がる多様な選択 人気色も変化
■「価格高騰」や「心身の成長」など 問題点から生まれた『サブスクランドセル』
2023年より開始されたのが『Rands』というサブスク。コクホーの、当時、専務取締役だった庄山理恵さん(現・RANDS株式会社代表取締役)が開発しました。約250種類もの中からランドセルを選択することができます。最低1か月、または4か月で別のランドセルに交換可能で、2年間、同じものを利用すれば無料で受け取れるというサービスです。さらに、修理にも対応していて、基本的な汚れであれば、費用は発生しないといいます。
なぜ、ランドセルをサブスク化したのか、庄山さんが理由に挙げたのが『ランドセルの価格高騰による家計負担』です。2022年のランドセル購入平均価格は5万6425円、2023年は5万8524円と年々、上昇傾向にあるランドセル。(ランドセル工業会調べ)。“多子家庭なので一度に数個の購入は厳しい”“手ごろな価格で購入したい”など、ユーザーからも値段に関する声が挙がっていたという。
他にも『心身の成長による好みの変化への不安』や『利用環境が変化する場合への不安』などの理由が事業を開始するきっかけになったといいます。庄山さんは「必要な時に必要なだけ利用できるうえ、入学準備時の費用負担も抑えることが可能。心身の成長や引っ越しなどの利用環境の変化にも対応可能」と様々な問題に対応できると語りました。
■レンタルだからこそ試せる 人気のカラーランキング
また、人気色にもある特徴が見られるといいます。
【人気カラーランキング】
・男の子 1位:黒 2位:ブルー 3位:シルバー 4位:緑 5位:紺
・女の子 1位:白 2位:紫/薄紫 3位:ピンク/ローズ 4位:紺/黒 5位:茶色
この傾向について庄山さんは「男の子は一般的な人気カラーとほぼ同じだが、シルバー等、購入にちゅうちょされる色が好まれる傾向にあると見受けられ、女の子は白や黒系等、一般の購入の人気上位にないカラーが人気になっています。購入には抵抗があるが、サブスクならば試してみようという心理がうかがえます」と分析しつつ、「過去の形にとらわれることなく、"自由な選択ができる”ことを知ってもらいたいです」と語りました。
■ワークマンも参入 8800円のランドセル
“なぜランドセル市場に参入したのか?”広報担当者に聞いてみると加速する“ラン活”に対し「ランドセルで入荷待ちをしている方や、お安くて丈夫なランドセルを検討している方、おさがりで買い替えが必要になった方に消耗品として選んでいただきたい」と狙いを明かし「多様化するラン活検討の1つになれればと思います」と思いを話しました。
特徴は低価格でありながら高い強度。「バリスティック(意:弾道)ナイロンという、防弾チョッキにも使用されるほど高い強度と耐久性を持つ生地で、毎日使用するようなビジネスバッグや工具袋などの素材としても使用されているので、気兼ねなく毎日の通学で使用できます」と説明。登山用リュックでも使用しているアルミ製の細いプレートも使われ、重量のある荷物でもリュックの剛性が保たれ、体への負担がかかりにくい構造となっています。
金額については「多数の人気バッグを開発していること、作業用のノウハウをランドセルにいかせたこと、工場の閑散期にオーダーすることでお安く提供ができます」と説明しました。
本商品は販売前にもかかわらず、SNSでは「今後ランドセル文化がどんどん変わっていくのかなと気になる」「毎年換えてもいい!ぐらいのビジネスモデル打ち出していて新しい」と話題になっています。