“公衆電話”に“AED” 幼児雑誌の付録に社会インフラ系 「ごっこ遊びにちょっと本物要素を加えて」
■“救急の日”にあわせた『おやこで!AEDたいけんセット』の付録
『幼稚園』の10・11月号(8月30日発売)に付録として企画された『おやこで!AEDたいけんセット』は、医療機器メーカー・日本光電工業株式会社とコラボレーションしたもの。実際に日本光電が製作する『普及タイプAED』とほぼ同じサイズで、レバーを引くとふたがパカッと開く仕掛けや、30秒の音声ガイドが流れるなど、本格的な付録となっています。
付録を担当した小学館の幼児誌編集室幼稚園・付録担当の今村さんにお話を伺いました。
――『幼稚園』で今回、AEDの付録を企画した理由を教えてください。
『幼稚園』の付録は常々、子どもたちが触りたくても触れないものとか、あと「こういうことを教えたいよね」ということを中心に、いろいろ企画を探しています。その中のひとつで、「AEDって大人でも触りたくても触れないよね」というのと、(AEDを)子どもたちに教えるというのもいいことなんじゃないかということで、企画を考えさせていただいて日本光電さんに企画を持っていきました。
■“公衆電話”、“ATM”など これまでも企業コラボ付録が登場
『幼稚園』は、2018年のくら寿司との企業コラボ付録をきっかけに、その後もさまざまな企業とのコラボ付録を企画。中でも公衆電話や自動改札機、ATMといった“社会インフラ”系の付録は、SNSなどで話題になりました。
――付録が話題となって、編集部にはどのような反響が届きましたか?
公衆電話でいうと、僕の母が保育所に勤めているんですけど、そこに持っていった時に、まず(公衆電話の)使い方を知らないからいろいろ教えて。ボタンをスライドする子もいたみたいで、「そこは押すんだよ」と。それで、「電話をかけるには、電話番号を覚えていないといけないんだよ」みたいなことを言ったら、次の日に子どもたちが親の携帯の番号を覚えてきたと言っていました。だから、そういうきっかけが、たぶんできるんだろうなと。
――企画を考える際の方向性について教えてください。
企画に関しては、子どもたちに今はやっているものだったり、好きなものだったりがいろいろな種類あると思うんですけど。例えばATMとか電話とか、いろんなごっこ遊びにちょっと本物要素を加えて、ちょっとリアルにしていくみたいなところから考えています。
ただ(付録を)つけるだけじゃなくて、『幼稚園』でつける意味みたいなものを、記事と一緒に連動することによってちゃんと出していくのが大事と心がけています。
――今後はどういった付録を企画していきたいですか?
コロナ禍を挟んで技術的・社会的にいろいろ変わってきた部分もあるかなと思っていて。そういう新しい企業さんだったり、新しい技術だったりがどんどん出てきているので、そこと切り離せないような生活に、これからの幼稚園児はなっていくと思うんですよ。大人になるにつれて。なのでそこら辺を解説したり後押ししたりできるような付録を企画したいなと思っています。