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井戸川射子『この世の喜びよ』で“初ノミネート” 子育ての記憶に出会い直す物語【芥川賞候補作】

2023年1月18日 6:15
井戸川射子『この世の喜びよ』で“初ノミネート” 子育ての記憶に出会い直す物語【芥川賞候補作】
井戸川射子さん (C)田中尚樹
第168回芥川・直木賞が19日に発表されます。その発表を前に、純文学の中・短編作品に贈られる芥川賞の候補作の1つ、井戸川射子(いどがわ いこ)さん(35)の『この世の喜びよ』を紹介します。

作品は、ショッピングセンターの喪服売り場で働く主人公の“あなた”が、フードコートの常連の少女と知り合い、かつての子育ての記憶や言葉にならない感情に出会い直す物語です。

井戸川さんは1987年生まれ、関西学院大学社会学部卒業。2018年、第一詩集『する、されるユートピア』を私家版にて発行。2019年には同詩集が第24回中原中也賞を獲得し、2021年に小説集『ここはとても速い川』で第43回野間文芸新人賞に輝きました。