前田吟 戦友・佐藤蛾次郎さんは「皆さんにかわいがられたアイドル」 60年以上の仲
――訃報をお聞きになって率直にどのようなお気持ちですか?
やっぱり残念でならないというか、月並みだけど戦友がまた一人、逝ってしまったというか…
――佐藤さんとはどんな思い出がありますか?
彼とは戦友だけではなくて、山田(洋次)学校の同級生としてね、なおかつ山田洋二郎監督に出会う前に、1964年のオリンピックの年ですかね。その時から何度もテレビドラマでご一緒したんですよ。最初は映画にもなった今井正監督の『純愛物語』というテレビドラマに一緒に出たんですけどね。その頃からお互いを知っていて、彼も俳優を目指しているんだなというのはよく知っていました。(『男はつらいよ』は)撮影が大船でありましたから、横浜でよく飲みましたよ。山田監督の目を盗んで…と言ったら語弊がありますけど、2人で夜な夜な、いろんなところに飲みに行きましたね。彼といるととても楽しいんでね。子供の時というか少年時代から一緒みたいなもんだから。
――佐藤さんとお会いされたのは、いつが最後になりますか?
最後に会ったのは「『男はつらいよ』50作目の舞台挨拶のときですかね。3年前になりますかね。その時に彼はお孫さんを連れてね、家族で楽屋に来ていましたからね、そこでいろんな話しをしたりですとか。バラエティー番組もちょこちょこ出ていまして、彼が病気とか、何かの手術をするたびに元気になっていく姿を見ながら、“え~君は不死鳥だね”なんて笑ってましたけど。
――最後に佐藤さんはどんな存在でしたか?
アイドルだよね。とても皆さんにかわいがられたアイドル。