【発表】直木賞候補作に6作品 加藤シゲアキ、万城目学らがノミネート
■加藤シゲアキ『なれのはて』
NEWSのメンバーとしても活動する加藤シゲアキさん(36)の『なれのはて』は、終戦前夜に起きた日本最後といわれる空襲をテーマに、やるせない人間の業(ごう)と向きあいつつ、一方で力強く生き抜こうとする人びとの姿を、一枚の絵のミステリーを通じて描いた物語です。
加藤さんは、2012年に『ピンクとグレー』で作家デビュー。2020年にはマッチングアプリを題材にした『オルタネート』が、直木賞の候補作に選ばれていて、今回2度目のノミネートとなりました。
■河﨑秋子『ともぐい』
河﨑秋子さん(44)の『ともぐい』。明治後期の北海道を舞台に、村田銃と一匹の犬だけを伴い“最強の熊”に挑む男の姿を描いた物語です。
河﨑さんは2022年に『絞め殺しの樹』が直木賞の候補作に選ばれていて、今回2度目のノミネートとなります。
■嶋津輝『襷がけの二人』
嶋津 輝さん(54)の『襷がけの二人』は、戦前戦後を生きた女性たちを描いた物語です。
2016年に『姉といもうと』で第96回オール讀物新人賞を受賞しました。その後、2019年に受賞作を収めた短編集『スナック墓場』で単行本デビューを果たしました。今回、初めて直木賞にノミネートされました。
■万城目学『八月の御所グラウンド』
万城目学さん(47)の『八月の御所グラウンド』は、女子全国高校駅伝、そして謎の草野球大会を題材に描いた2篇が収録されています。
万城目さんは、これまで『鹿男あをによし』や『プリンセス・トヨトミ』などが直木賞候補作に選ばれており、今回で6回目のノミネートとなりました。
■宮内悠介『ラウリ・クースクを探して』
宮内悠介さん(44)の『ラウリ・クースクを探して』は、コンピュータ・プログラミングの才能があるエストニアに生まれたラウリ・クースクが、ソ連のサイバネティクス研究所で活躍することを目指し、歴史に翻弄された様子が描かれています。
宮内さんは、これまで直木賞に3回、芥川賞には2回ノミネートされていて、今回が4度目の直木賞ノミネートとなりました。
■村木嵐『まいまいつぶろ』
村木嵐さん(56)の『まいまいつぶろ』は、口が回らず誰にも言葉が届かない、歩いた後には尿を引きずった跡が残り、その姿から「まいまいつぶろ(カタツムリ)」と呼ばれた徳川家重を描いた時代小説です。
村木さんは、第17回松本清張賞を受賞しデビュー。今回、初めてのノミネートとなりました。
受賞作は、来年1月17日に発表される予定です。