不憫でかわいいとJC・JKに話題の『おぱんちゅうさぎ』 海外にも人気拡大
「不憫(ふびん)」「報われなくてかわいい」などと話題になり、3月10日からは、東京・池袋PARCOで『おぱんちゅうさぎ展』が開催されました。(※現在は終了)
おぱんちゅうさぎは、「なかなか恵まれない。今にも泣きそうだが、ひたむきに健気に生きていく。」がコンセプトで、泣き出しそうなうるうるの瞳に、分厚いくちびる、白いパンツが特徴的なキャラクター。クリエーター・可哀想に!さんがSNSに投稿した、日常のあるあるを切り取ったイラストが人気を集めていて、おぱんちゅうさぎのTwitterのフォロワーは69万以上を誇ります。
■展示会は“工事の人が来られなくなってしまったため、おぱんちゅうさぎが徹夜で準備”
“工事の人が来られなくなってしまったため、おぱんちゅうさぎが徹夜で準備した”という展覧会。まず初めに展示されているのが、普段暮らしている部屋。額縁に入れられた絵や机、絵日記などが飾られています。
さらに進むと、リボンやパンツが収納されているクローゼットやフォトパネル、ぬいぐるみなど、様々な展示を通しておぱんちゅうさぎの世界観を楽しむことができます。
■「全部報われない」「不憫なところが親近感」若い世代を中心に人気を集める
展覧会に来場していた女性2人組に魅力を聞くと「本当にかわいそうなんですよ。例えば新幹線に座っていて、お弁当食べようとするじゃないですか。前のサラリーマンが椅子をバンって倒してきて、食べたかったお弁当が下に散らばっちゃったりとか。日常を精いっぱい生きているのに、全部報われないんですよ。それを自分に重ねてかわいそうって思うのが楽しくてかわいい」と説明し「このきゅるきゅるの目の感じとか。たまに涙流して泣いちゃってたりして、かわいそうで応援したくなっちゃうんですよね。こんなに感情移入できるキャラクターはなかった」と語りました。
さらに、おぱんちゅうさぎのTシャツを着た男性は「一言で言うとシュールさ。言葉がないイラストで表現できているのが個性かなと」と魅力を語りました。
■編集者が語る魅力 これまで少なかった「応援したくなるキャラクター」
こうした人気について、作者・可哀想に!さんを担当するキャラクターレーベルの編集者は「これまで“自分を応援してくれるキャラ”はいましたが、“自分が応援したくなるキャラ”は少なかったと思っており、そうした一歩踏み込んだ距離感の近さを感じています。以前はアニメ放送やマンガの連載など週1回くらいのペースでキャラクターに触れることも多かったかと思いますが、SNSが普及したことでコンスタントに受発信ができるようになり、キャラクターや作品とつながれる機会も増えました。誰もが気軽にコメントやリアクションができるのがSNSなので、友達のように身近な存在のほうが受け入れやすい部分はあると思います」と分析しました。
■人気は広がり、韓国でポップアップショップも
おぱんちゅうさぎの人気は広がりをみせ、コラボカフェ『おぱんちゅ食堂』が東京・大阪・愛知・宮城でオープンし(※東京は終了)、韓国でもポップアップストアがオープンしました。
JC・JK流行語大賞を発表した会社は「常に残念で恵まれないかわいそうなキャラクターが愛おしいと人気となり、韓国でもポップアップショップが出店されるなど、海外での人気も伝わってきています。おぱんちゅうさぎカフェなどの展開やグッズの豊富さがキャラクターでも“推し活がたくさんできる”と女子中高生の熱い支持を集めました」と分析しています。