テレビドラマ『ふぞろいの林檎たち』などで知られる脚本家の山田太一さんが11月29日、老衰のため亡くなりました。89歳でした。

山田さんの訃報に際し、親族がコメントを発表し「突然のご報告となりますが、かねてから療養中でありました山田太一は、令和5年11月29日にお世話になっていた川崎市内の施設にて老衰の為に息を引き取りました。享年89歳。とても安らかで静かな旅立ちでした」とコメント。

続けて「山田は仕事に対しては常に厳しく真剣でしたが、私たち家族にはユーモアにあふれ、楽しく優しい父として心に残っています。ファンの皆様、メディアの皆様、長い間父を支えていただき、誠にありがとうございました。これからも父の作品を楽しんでいただけたら幸いです」としています。

山田さんは1934年、東京・浅草生まれ。早稲田大学卒業後、松竹大船撮影所に入社。演出部で木下恵介監督の助監督になりました。1965年に独立し、以後約半世紀にわたり『岸辺のアルバム』『早春スケッチブック』『ふぞろいの林檎たち』など、数多くの名作ドラマを生み出しました。

また、小説家としても活躍し、1988年に『異人たちとの夏』で山本周五郎賞を受賞。他にも『飛ぶ夢をしばらく見ない』『冬の蜃気楼』『終りに見た街』『空也上人がいた』などを手がけました。