後継者不足で中止の年も…「早乙女踊り」受け継ぐのは高校生たち 福島・会津坂下町
会津農林高校の生徒たちは町の「文化」を守る大切な存在なんです。地域に寄り添う高校生の熱い思いにChu!モク。
物価高のいま、手ごろな価格で販売されているピーマンにナス…タマネギなどの野菜。それに、色とりどりのお花。そして…。プロ顔負けのそばまで!多くの人が集まりにぎわいが生まれるここは、会津農林高校。この日は、自分たちが育てたそばを地域の人に振る舞いました。
■お客さん(喜多方市から)
「高校生が作ったなんて思えないくらいとてもおいしい」
■お客さん(会津美里町から)
「素晴らしいことだと思う。また機会があったら来ます」
■会津農林高校地域創生科2年生 小山 菖さん
「がんばって打ったそばなので地域の人たちに認めてもらえたという感じがしてとてもうれしい」
会津地区では唯一の農業高校。地元を中心に集まった全校生徒273人が農業や園芸、それに畜産などを学んでいます。
■会津農林高校生産科学科2年生
渡部 葵さん「農業ならではの楽しさ、どんどん成長していく姿が目に見えてわかるのですごく楽しい」
2年生の渡部葵さん。農業を学びたいと、この学校に入りましたが、実はもう1つ、やりたいことがありました。それというのが…。太鼓や笛の囃子とたおやかな踊り。会津坂下町の伝統芸能、「早乙女踊り」です。毎年7月に開かれる御田植祭で披露され、五穀豊穣を願うこの踊りですが…。少子高齢化の影響などで後継者が不足しています。2004年からの3年間は踊りの中止を余儀なくされました。そこで立ち上がったの会津農林高校の生徒たち。町の伝統を守ろうと、先輩から後輩へ、17年間、踊りが受け継がれてきました。
■早乙女踊り保存クラブ 渡部 葵さん
「私自身が伝統芸能とか日本の伝統文化がすごく好きだったのでこの早乙女踊りがある会津農林高校に入学した」
「早乙女踊り」を自分も受け継ぎたい。そんな思いがあった渡部さん。自ら希望した笛を担当し、毎日練習に打ち込みます。
■早乙女踊り保存クラブ 渡部 葵さん
「丁寧にはもちろんだが聞いてくださっている見てくださっている皆さんに届けられるように吹いていきたい」
7月7日。この日が御田植祭の開催日。練習に励んできた生徒たちにとって、ここが、晴れの舞台です。田植え衣装に身を包み、地域の人に「早乙女踊り」を披露します。令和のことしも、会津農林高校の生徒たちによって伝統の踊りが継承されます。
■早乙女踊り保存クラブ 渡部 葵さん
「終わった後の見てくださった方の拍手や歓声がいっぱいあったのでやっててよかったなって思った」
会津の各地で真夏日となったこの日。生徒たちは見事、町の内外5か所で、「早乙女踊り」を踊り切りました!
■訪れた人は
「すごい立派だった」「お姉ちゃんの服がきれいだった」「1年に1回だし感動した」「これからもずっとやっぱり伝統的にやってもらいたいですね」
ことしも途切れなかった「早乙女踊り」。来年もまたこの踊りが後輩に受け継がれ、新たな歴史を刻んでいきます。
■早乙女踊り保存クラブ 渡部 葵さん
「後輩たちに少しでも多く入ってもらって早乙女踊りが次の世代、次の世代に続いていくようにしていきたいと思っている」