Meta社主催「ハッカソン」で大学生チーム活躍 ゴーグルから広がるXRの世界
KKTで月曜~金曜の午前放送「DayDay.」MCで熊本出身の武田真一さんとリモートで結んでお伝えします。番組生放送の後駆けつけて下さいました。
(武田真一さん)
よろしくお願いします。って、東島さん、何か面白いものつけてませんでした?
(東島大デスク)
やっぱり気になりますか。さりげなくやってたんですけど。これは「XRゴーグル」といいまして、これが今日のテーマなんです。XRっていうのは、ARとかVRとか、いろいろな仮想現実ってありますよね。XRっていうのはその総称なんです。早い話、今私が何を見ているかと言いますと、ちゃんとここのスタジオ見てるんですよ。私が見てるのはこちら。
高校生が作ってくれた怪獣です。結構自由自在にこんなふうに動かしちゃえるんです。この技術にすごく力を入れているのが、メタ社というアメリカの巨大IT企業がありますね。facebookですとか instagramを運営してる会社なんですけれども。この会社がですね、世界中でハッカソンという大会を毎年開いてるんです。
ハッカソンっていうのは、こういうXRの技術を開発する専門家を育成しようという大会なんです。これが7月に日本で初めて開かれて、その道のプロたちが参加したんですが、その中に唯一大学生のチームが参加。これが熊本市の崇城大学のチームだったんです。学生たちの活躍を取材しました。
これは去年開かれたメタ社主催のロンドン大会の映像です。ハッカソンは限られた時間の中で斬新なアイデアを形にするエキスパートを発掘するのが目的です。優勝チームには賞金と支援金あわせて6万5000ドル(950万円)が提供されます。7月に日本で初めての大会がメタの日本法人オフィスで開かれました。
社会人チームに交じっているのが唯一の学生チーム・崇城大学。学生2人と教員2人の4人編成です。
■崇城大学芸術学部1年・石原若菜さん
「もうなんか場違いなんじゃないかなみたいな。すごい最年少で」
■崇城大学芸術学部3年・米澤藍さん
「すごいプロの方たち、プログラマーの方たちとか。メタ社なのでやっぱり外国の方が多くてすごく圧倒されました」
学生たちを指導したのが…。非常勤講師の坂元旭さんです。まだ26歳ですが、バーチャル・リアリティや3DCGの世界で注目を集めるエキスパートです。
■崇城大学 非常勤講師・坂元旭さん
Qいつもその格好で?
「時々ですけど、学校内ではいつもです」
普段からゴーグルをつけて生活する坂元さん、その理由は。
■崇城大学・坂元旭 非常勤講師
「私はいつもカフェで作業しながらかけているんですけど、みんなが(ゴーグルを)かけて生活するようになった時にああこういうことが起こり得るよなあというのを予測したり、逆にこういう使い方出来るよねというのを発見したいなというのを心がけています」
坂元さんこれまで数々のコンテストで受賞を重ねてきた坂元さんですが、今回は学生を指導する立場です。大会は3日間、合計27時間以内に誰も見たことがないアプリを作ります。そのアプリをプレゼンするための動画も時間内に作らなければいけません。様々なジャンルから崇城大学チームが挑んだのは、仮想現実の中で自分の手で触りながら彫刻やフィギュアを作ることが出来るアプリです。
■崇城大学芸術学部1年・石原若菜さん
「やっぱり学生だから思いつくアイデアとか、美術系で学んでいることを生かした」
プロと対等に渡り合う崇城大チームが武器にしたのは「夢」でした。
■崇城大学・坂元旭 非常勤講師
「もう初めて触るからこそ、それこそなんか無謀でもなんでもいいので、すごい夢を語って、夢をアイデアとして提供してくれるだろうっていう ところを戦略として考えていました。そうやって出たアイデアを私はひたすら開発する。絶対に否定せずに。例えばもう『どこでもドア作りたい』とか『タイムマシン作って』って言われても作るぞっていうような勢いで開発してました」
残念ながら崇城大学チームは優勝こそ逃しましたが、非常に高い評価を受けました。アプリは実用化される見通しです。学生たちはこの経験をもとに自分の夢の実現に向けて動き始めています。
■崇城大学・米澤藍さん
「普段関わらない人たちと関わることができたり、外国の方、普段お話聞けない方といろんな話をするすごいいい機会だったので、自分の将来に繋がる重要な機会になったんじゃないかなと思います」
石原さんはまだ1年生です。
■崇城大学・石原若菜さん
「自分用のパソコンを初めて持ったのが大学だったので、もう結構進化している。レベルどれくらい上がった?」「もう50くらい(笑)」
【スタジオ】
(武田真一さん)
こうやって熊本の若い人たちがね、世界の最先端を行くクリエイターの人たちと交流して、いろんな刺激を持ち帰ってくれるってのはいいなと思いますね。でも、どんな作品なのか気になりますね。
(東島大デスク)
どんな作品か、なかなかイメージしづらいと思いますので…。
(緒方太郎キャスター)
私もゴーグルをつけさせていただいたんですが。どんな世界が見えるのか、ちょっと皆さんも一緒にご覧いただきましょう。これが学生さんたちが開発したアプリの世界です。崇城大学の米澤さんに操作の手ほどきを受けて、挑戦してみたいと思います。
(崇城大学・米澤藍さん)
右手がへこむ動作で、左手がつまむ動作です。
(緒方太郎キャスター)
「ガチョーン」みたいになっちゃいましたけど、武田さん、触った場所がこんなに鋭利に!感触はないんですけど、不思議です。形が変わるから、本当に目の前に物理的にものがあるような。
(米澤藍さん)
一番下のマテリアルを選択してください。
(緒方太郎キャスター)
おお、変わった!水の塊みたいな感じ。
(武田真一さん)
こうやって自分の手でいろんなCGの形を作ることができるんですね。例えば複数の人が遠く離れたところから1つの作品を何人かで一緒に作るとかもできるんですか?
(米澤藍さん)
はい、できます。
(武田真一さん)
じゃあ例えば形を作って3Dプリンターにデータを移して、実物の彫刻にするとか、そういうアイデアって実現できそうですか。
(米澤藍さん)
はい、それもできます。実際に作ったモデルも、このVRのアプリ上でエキスポートできる状態にまで開発が進んでるので。実用化できるように学生と先生方で開発を進めています。
(崇城大学・坂元旭 非常勤講師)
やっぱり学生さんがアイデア出してくれたからこそ私自身開発できたと思っていますし、私は絶対に思いつかないような発想だったりアプローチを出してくれるので、それを新しい、今までとは全く違うアプローチができたのがすごく楽しかったです。
(武田真一さん)
XRならではの発想ですよね。自分の手を動かして、仮想空間にあるCGを作るっていう。これ例えばですね、医療とか物作りとか、いろんなことに応用できるんじゃないかなって直感的に思うんですけど、そういった可能性は先生方、どういう風に捉えていらっしゃるんですか。
(崇城大学・清島浩徳教授)
なかなかリアルのクレイ(粘土)を使って作る作業っていうのは、例えばお年寄りの方とか体にハンデのある方々には難しい。ところが、こういったものであればいつでもどこでも作ることができて、なおかつそれを世界中の方々と共有できるようになればいいなということを目指しています。それがいろんな形で医療の方にも繋がっていければいいかなと考えてます。
(緒方太郎キャスター)
今日は、崇城大学の皆さんにお集まりいただきまして本当にありがとうございました。ところで武田さん、話は変わりますが…?
(武田真一さん)
ことし10月に熊本市で防災について考える「ぼうさいこくたい」が開催されます。熊本地震を取材したこともあり私や災害復興の研究者、元KKTの村上美香さんのトークセッションが10月20日にあります。今も台風が来ていますが災害、防災について一緒に考えて頂きたくぜひご参加ください。
詳しくはKKTのホームページをご確認ください。