【名城復活へ】地震で被災した熊本城の宇土櫓 解体前にしゃちほこ取り外す
国の重要文化財に指定される熊本城の宇土櫓。今は解体工事に向けて、周りが素屋根で覆われていています。宇土櫓が建てられたのは約400年前。2016年4月の熊本地震では、南側にある続櫓が倒壊し、石垣が圧力で押し出されるなどの被害が出ました。
1月から本格的な解体が始まるのを前に18日、素屋根の最上階で公開されたのが…。
■平井友莉アナウンサー
「これから行われるのが、しゃちほこの取り外しです。しゃちほこが固定され、これからクレーンでつり上げられようとしています」
「屋根からしゃちほこが取り外されました。慎重に作業が進められています」
1927年の解体修理の際に設置されたとされるしゃちほこ。高さは96センチ、青銅製で、重さは60キロから70キロあります。
■平井友莉アナウンサー
「先ほど取り外されたしゃちほこの口元を見てみると、左側は口を閉じているのに対して、右側は歯が出ていて表情が変わっています。阿吽(あうん)の形式となっているそうです」
記録に残る限りでは、1985年~1990年の間に一度取り外されているしゃちほこ。それ以来となる今回の調査で、設置のいきさつなどを調べます。
■熊本城総合事務所復旧整備課 岩佐康弘課長
「しゃちほこが、いつどのように作られたのかはっきりしていない。そのあたりについて何か分かるかもしれないので、これからもいろんな調査をしていくことにしています。これだけ貴重な機会ですので、何らかの形で見ていただきたい。今後検討をしてお披露目していきたいと考えています」
宇土櫓では、現在瓦を一部取り外し、重なり方や屋根の勾配、設置の方法などを調査していて、その後、約2年かけて壁や床を含めた解体を進めます。再び被災前の姿へ…2032年度の再建を目指します。