独創的なキャラクターどう生み出す?子どもたちが新ジャンル「ネオ漫画」作りに挑戦
「アート」な話題です。個性的なキャラクターが続々と誕生。絵を描くことが好きな子供たちが協力して、ヘンテコだけど新しいあるものを作り上げました。
今月14日。松山市内で、あるワークショップが行われました。
講師を務めるのは、県内を拠点に活動する美術家・西武アキラさんと、漫画家・イラストレーターとして国内外で活躍する横山裕一さんです。
ワークショップで使うのはサインペンや、枠が書かれた紙。
西武さん:
「グループで漫画を作ります」
イベント名は「ネオ漫画を作ろう」。ところで「ネオ漫画」って何?
横山さん:
「20年ほど前に最初の(漫画の)単行本がフランスで出版された時に、フランス人からインタビューがあり(自分の漫画のことを)「変な売れてない漫画」という意味でネオ漫画と言ったのが、そういう言葉があるとフランス人が勘違いして定着した。オチがない、起承転結がない内容がないという事が特徴」
横山さんが生み出した、ヘンテコだけど新しい漫画のジャンル「ネオ漫画」。
アートに触れながら交流することを通して、子どもたちに興味や関心の幅を広げてほしいとアートNPO法人の「カコア」が企画しました。
Q参加した理由は?
男の子:
「絵がうまくなりたいからです」
女の子:
「絵を描くことが好きで漫画もよく見るから」
男の子:
「絵が好きだから漫画も友達とよく描く」
ワークショップには35人の小中学生が集まりました。
西武さん:
「漫画を描いたことある人手をあげてください。すごい半分くらい」
10のグループに分かれて、グループごとに1つの漫画を作ります。
ワークショップがスタート。まずは漫画に登場するキャラクター作りからです。
西武さん:
「何も書いてない白い紙を持ってグシャっとしてください」
子供たち:
「え!?」
そのあと紙を広げて。
西武さん:
「紙を広げて、紙のグシャグシャが形みたいに見えるところがあったらつないで」
なんと!紙のシワをもとにキャラクターを作るというちょっと変わった方法です。
個性的なキャラクターがシワの中からどんどん生まれていきます。
続いて「漫画づくり」。絵や文字を描いていきます。
西武さん:
「1コマ目困った人がいたら横山先生に描いてもらったんで参考に。何かつかもうとしている手とか、階段とか」
漫画づくりはこんなルールで進めます。
西武さん:
「1分ずつなんでも描いていいです。用意スタート」
制限時間1分で、それぞれがシートの1コマに絵や文字を描き…隣へ渡してまた1分描く…の繰り返し。
1人で1枚のシートを仕上げるのではなくリレー方式で回し、みんなで協力して仕上げます。
女の子:
「自分が想像したことと違っててどうしよう?とめっちゃ考えるのが楽しい」
参加した子供たちはほとんどが初対面。
西武さん:
「初めて出会った違和感とか自分の普段と違うコミュニケーションをとることで、新しい可能性が子供たちに少しでも広がって欲しいと思って」
そして、1つの漫画に仕上げるための「編集会議」へ移ります。
西武さん:
「こんにちは、どうぞよろしくって書いてあるのは最初のほうじゃない?」
女の子たち:
「これでいく?」
「これ最後にして」
男の子グループ:
「コレとコレはいける」
「こっちいけるか?」
シートの順番を決めたり、漫画のタイトルを考えたり。
普段から漫画を描いているという男の子3人のグループ。9枚のシートがありますが。
男の子グループ:
「難しい。短編が3つあるかんじ」
西武さん:
「のけちゃうページがあってもいい」
作品に残すシートを選んだり、絵を描き足したりしながらラストスパート!完成したグループから作品を発表です。
女の子:
「4つの話をつなげて奇跡の話がしっかり作れました」
ばらばらになった登場人物4人、それぞれが旅をして最後にみんなが再び出会う物語です。
こちらのグループの漫画には全てのコマにある生き物が登場します。
女の子:
「1コマ、1コマ全部にゴキブリがいる」
西武さん:
「恐るべき漫画ですね」
ワークショップ開始からおよそ2時間。個性あふれる「ネオ漫画」が誕生しました。
横山さん:
「皆さん本気で漫画家を目指してください」
子供たち:
「はい!」
横山さん:
「面白かったです。僕も真似してみたいと思いました。脈絡のないものを繋げるのはあまりやったことがないんで詩のような世界です」
子供たち:
「漫画描くの苦手だったから勉強になった。楽しかった」
「今日知り合って漫画描いてたら仲良くなった」
「めっちゃ楽しかった。みんなで物語繋げるのが」
「漫画とか絵を描いたり新しいものを作る職業につきたい」
ワークショップを通して子どもたちの前に新たな世界が広がったようです。