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「幻の焼き物」横浜眞葛焼 企画展

2024年7月2日 18:55
「幻の焼き物」横浜眞葛焼 企画展

 横浜を拠点に販路を海外としたため、国内では「幻の焼き物」とされる「横浜眞葛焼(まくずやき)」の企画展が、岡山市の美術館で開かれています。

 明治時代初期に、宮川香山が横浜で窯を興した、眞葛焼。写実的な技巧に加え、魔術とも評された色彩が海外で高く評価されました。

 岡山市の吉兆庵美術館には、収蔵品およそ70点が展示されています。京都生まれの初代・香山が、幕末の動乱による経営難から、代々伝わる窯を横浜へ移したのが横浜眞葛焼の始まり。海外を販路としたため、国内に残る作品が少なく、幻の焼き物と呼ばれています。

 今にも動き出しそうなワタリガニが描かれた鉢は、初代・香山73歳の作品で、精巧な描写だけでなく、荒々しい作風が評価されました。後に欧米の焼き物に影響を与えたといわれるも、空襲で窯が焼失し終焉を迎えた、横浜眞葛焼。残された作品を紹介した企画展は、8月4日まで開かれています。

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