庄内地方伝承の笹巻 東北初!国の登録無形民俗文化財へ 保存性を高めるため灰汁をもち米に混ぜる手法も
庄内地方に伝承されているもち米を使った笹巻。地域ごとにも特色があるこれらの笹巻の製造技法が、東北では初めて国の登録無形民俗文化財に登録されることが決まりました。
一般的な笹巻は臼で挽いた米粉を笹で包んで固く縛り、蒸して作ります。これに対して庄内地方ではコメを粒のまま煮る全国的にも数少ない製法で作られています。
また鶴岡市内には保存性を高めるために燃やした薪から出る灰からつくった灰汁をもち米に混ぜた、黄色い笹巻も伝承されています。さらに形も三角形や四面体、タケノコの頭のような形など地域ごとにいろいろな種類の笹巻が作られています。
こうした地域ごとに特色がある製法が伝承されていることが決め手となり、19日国の文化審議会で「庄内の笹巻製造技術」が登録無形民俗文化財に登録されることが決まりました。東北地方では初めての登録です。
登録の決定を受け鶴岡市では市や笹巻づくりの関係者が喜びの会見を開きました。
皆川 治鶴岡市長
「鶴岡市を含む庄内地方に伝承されてきた笹巻が国に認められたことは、庄内にとって何よりも味わい、継承に取り組んできた方々にとって大変意義のあることと思う」
笹巻を製造する伊藤ます子さん
「私たち製造している者にとっては非常に重大で素晴らしいことだと報告を受けて思った次第。一番はやく登録を報告したいのは私に作り方を教えてくれたおばあちゃんです。早速きょう報告にいこうと思っている」
伊藤さんらは、地域で受け継がれてきた製造技術をこれからも若い世代に繋いでいきたいと意気込んでいました。