“今年中に5万円”の声も。証券トップら期待高まる。
日経平均株価が34年ぶりに史上最高値を更新し、熱狂に包まれた。普段は「株価に一喜一憂しない」としてコメントを控える面々も、反応コメントを出すなど異例の対応が取られた。一部を紹介する。今後の株価の動向の目安になるのだろうか。
■野村ホールディングス・奥田健太郎グループCEO
「34年かかって次のステージに移ったということで、大変深く大きな感慨を持って見ている、非常に嬉しい」
(今後について)「株価が上がり、その後、企業業績が上がって家計の収入が増えるとなると、本当に(良い景気の)循環になると思う」
■岩井コスモ証券・沖津嘉昭会長
「日本企業はバブル崩壊後は安定性を望んで経営したが、今は投資や新事業にも取り組む改革が出てきて、それが『正当に株価で評価』されたことで、今回の史上最高値の更新に繋がっている」
(今後の動きについて)「4万円は通過点で、今年中に5万円に挑戦する流れになる」
■PayPay証券・番所健児社長
「新NISAが始まり、資産運用に対する関心が高まっているタイミングで、日経平均株価が史上最高値を上回ったことは非常にポジティブなニュース」「しかしながら、資産運用初心者の方に対して、株価の短期的な動向に一喜一憂することなく、これまで通り『長期・分散・積み立て』での資産運用の大切さをお伝えしていきたい」
■三菱UFJモルガン・スタンレー証券 小林真社長
「日経平均株価が34年ぶりの高値を更新したことは日本経済にとって大変明るいニュースであり、日本経済の先行きに対する期待の表れ」「この期待を具現化するために、企業各社はこれまで取り組んできた様々な改革を継続するとともに、我々はグローバルマネーの取り込みや新NISAをはじめとする国民の皆さまに対する資産形成アドバイスを通じて、投資に対する機運を盛り上げていく」
予想株価レンジ(現在~2024年12月) 日経平均株価:3万2000~4万2500円
■ピクテ・ジャパン シニア・フェロー 市川眞一氏
「株価急騰の理由として、企業経営の変化による『割安』の修正との見方は少なくないようだ。もっとも、個別銘柄レベルで日経平均を押し上げてきたのは、半導体やバイオ関連など『割高』な銘柄群だ。これは、典型的な金融相場と言える。日本株の持続的な上昇には、株主資本利益率(ROE)の改善が必須要件だろう」
■経団連・十倉雅和会長
「日経平均株価が約34年ぶりの最高値となったことは、内外の資金の流入や好調な企業業績によるものと受け止めている。また、日本経済の潮目の変化も考慮されたものと考えられる。今はデフレからの完全脱却の千載一遇の好機であり、経団連としては、引き続き、賃金引き上げや国内投資の促進などに取り組んでいく」
■鈴木俊一財務大臣
「日本の経済の実力っていうことかもしれないが、様々な要因によって決まる」
(1月から開始した新NISAについて触れ)「引き続き、投資先として日本市場の魅力向上等に取り組んで参りたい」
(株価が生活実感とかけ離れているのではないかとの指摘に対し)「企業の稼ぐ力の強化や、物価高に負けない賃金の実現に取り組む」