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1ドル130円台突入 黒田総裁「マイナスに作用することも考慮」

2022年4月28日 22:33
1ドル130円台突入 黒田総裁「マイナスに作用することも考慮」

外国為替市場で円安が急速に進み、1ドル130円台に突入しました。日銀の金融政策決定会合で今の大規模な金融緩和策を続けると発表したためです。

外国為替市場で28日、円相場が2002年4月以来、およそ20年ぶりに1ドル=130円をつけ28日だけで2円以上動く急激な円安となりました。

これは日銀が今の大規模な金融緩和策を続けると発表したためです。

政府などからはゴールデンウイーク中の円安を加速させないために日銀が政策を少し修正する期待がもたれていましたが、日銀は金利上昇を抑えるため指定した利回りで国債を無制限に買い入れる「指し値オペ」と呼ばれる措置を原則、毎営業日実施することも発表しました。

むしろ金融緩和を強化する姿勢を打ち出した形です。

一方、会見で黒田総裁は、円安が経済に与える影響について十分注意していく考えを示しました。

日本銀行・黒田総裁「現状全体として円安がプラスという評価を変えたわけではないが、過度に急激な変動は、不確実性の高まりを通じてマイナスに作用することも考慮する必要があると考えています」

また、日銀は今年度の物価見通しをプラス1.9%に引き上げました。

日銀が目標とする2%に近づくことになりますが、黒田総裁は、「企業収益や賃金、雇用が増加する好循環の中で物価が2%を安定的に実現するまでは、まだ時間がかかる」と述べ現在の強力な金融緩和を粘り強く続けると強調しました。