スーパーの「値引きシール」貼られるタイミングは? AIが判断する店も…
食料品など、さまざまな値上がりが続いていますが、買い物の時に気になるのが「値引きシール」です。その「値引きシール」がいつ貼られているのか、タイミングを取材しました。
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店内は、常に大にぎわい。神奈川県横浜市にある青果店「八百屋みなみ」を3日に訪れると…
「サツマイモ、100円。今から100円」
本来214円のサツマイモが、ほぼ半額の108円に。
「キャベツ、198円。どうぞ。レタスは150円でいいよ」
記者
「急にセールが始まりました」
お客さん(60代)
「安いよ、これ。3分の1の値段」
キャベツがまとめ買いできる、夢のような光景も。
お客さん(60代)
「ほうれん草なんかもすごく安い。100円切っているから、みんな安いね」
──値引き、好きですか?
お客さん(60代)
「もちろん! 安かったら、いらなくても買いますよ」
仲卸会社直売でもともと安いのに…
八百屋みなみ 岩澤勇吉店長
「(えのきが)今から39円。しめじも39円でいいよ」
店長の気まぐれで、毎日、“ゲリラセール”を開催。
八百屋みなみ 岩澤勇吉店長
「うちもきょう鍋なんで。安ければ喜ぶじゃん。(えのきとしめじ)俺も買って帰る。きょう寒いし」
最大で9割引きの商品もありました。
――かごの中は全部“ゲリラセール”?
お客さん(60代)
「“ゲリラ”とついているものを買った」
──今、野菜どうですか?
お客さん(60代)
「高い。高いからなるべく安い物で料理をしているので」
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2月は、冷凍食品や調味料など1656品目が値上げ。帝国データバンクによると、年間2万品目にのぼるペースで、去年の1万2520品目を大幅に上回る可能性もあるといいます。
“節約”が求められる中、心強い“味方”となるのが…
70代
「ほらほら、割引シール。割引大好きだから、今の値段高いから、どこが割引あるか(探して)そこのところに行くの」
スーパーなどで見つけるとうれしい「値引きシール」です。
パート(60代)
「(値引き)シールがついていると、ちょっと計算してみたり。20%引くといくらとか。シール貼るのを持っていると、もうちょっと待ってみよう」
会社員(20代)
「やっぱり一番手に取るのは半額シールですね。店員さんの後ろから、のぞき見る感じ。30%オフなら(店員に)ついていきます」
70代
「割引になるのは(夕方)6時過ぎ。週に1回くらいは、そこをめがけて行く場合がある。赤印(値引きシール)が大好きですから」
とはいえ…
70代
「(店員に)安くなるかどうか聞いて、貼ってもらったりします。待っている時間がもったいないので、聞いちゃいます」
貼られるタイミングも割引率もバラバラな「値引きシール」。
「news every.」が1都3県の50のスーパーに聞いたところ、シールを貼りはじめる時間は午後5時から6時までが6割近くと最も多く、ほとんどの店舗が最大「半額」まで値引きするという結果になりました。
にもかかわらず、大手スーパーでは午後早い時間に、生鮮食品やおそうざいに、次々と値引きシールが貼られていました。その“カラクリ”は…
イオンリテール「AIカカク」担当 川舩直純さん
「この端末を使いまして“AI”で値引きをさせていただく」
曜日や天気、過去の販売実績などのデータから、今後の売り上げをAIが予測。商品の在庫数が売り上げ予測を上回る場合、早い段階で値引きするシステムを導入したのです。
お客さん(20代)(午後3時頃)
「昼間に来て安くなるのはお得だな、ラッキーだなって。さっきお姉さんがシール、ピッピッやってたから、これは貼られるなと思って、うろちょろしながら待っていました」
お客さん(60代)(午後4時頃)
「もう貼ってあったって思います。ラッキーって。(物価が)高くなっているから」
AI導入で、食品ロスは1割ほど削減。店も客もうれしい“値引き”が広がっています。