急激な円安…材料費など値上げ懸念 「クリスマスケーキ」値段つけられず
18日、円相場が一時、1ドル=149円台まで下落し、32年ぶりに円安・ドル高水準を更新しました。急激な円安で燃料費なども高騰し、生活への影響が広がっています。材料費などの値上げにより、「クリスマスケーキの値段が付けられない」という状況も起きています。
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東京・港区にある書店「クレヨンハウス東京店」では、子ども向けの絵本を多く取り扱っています。そのため、子どもたちが多く利用するといいますが、店からは懸念する声があがっています。
クレヨンハウス 子どもの本事業部 鏡鉄平さん
「『(出版社から)100円~200円くらい値上げするよ』っていう連絡を毎月のようにいただいています」
今年2月ごろから、出版社からの値上げの連絡が相次いでいるというのです。値上げの原因は、本の材料でもある「紙の高騰」です。
さらに、18日に届いた絵本は――
クレヨンハウス 子どもの本事業部 鏡鉄平さん
「海外で作っている物が多いので、仕掛け絵本は特に輸送費だったりとか、人件費だったりとか、紙の値段だったり。レートの問題っていうので、価格を上げざるを得ないというのはあると」
海外から輸入した洋書は円安の影響もあり、500円ほど上がっています。
利用者は――
保育士(30代)
「知らなかったです。初めて聞いてびっくり。なかなか手が出しづらいのは、正直あります。これ以上あがったら、大変ですね。(園で)なかなか買い替えがしていただけなくなるのもあるのかなと。そこがちょっと心配です」
クレヨンハウスの鏡さんは、「なんなら、『もう1回くらい値上げしたいくらいです』という声も(出版社から)ありますし、円安が目立ってきたので、きっと、これから(影響が)出るんじゃないかなという気はします」と話しますが、円安による客離れを警戒し、販売価格は変えないということです。
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18日朝も、円相場が一時、1ドル=149円台まで下落し、32年ぶりの円安・ドル高水準を更新するなど、円安に歯止めがかかりません。
値上げの影響は、円安だけではありません。埼玉・鴻巣市の武蔵野林業では、薪ストーブ用やピザ用の薪などを販売しています。
武蔵野林業 江田明久代表取締役
「300キロで、キロ5円ぐらいの値上げをさせていただきました。だいたい1割ぐらいの値段の上昇かなと」
燃料費や運搬費が上がったことで、ピザ用の薪やストーブ用の薪は5円ほど上がりました。
特に薪ストーブ用の薪は、これからのシーズンには、さらに需要の高まりが予想されますが…。
武蔵野林業 江田明久代表取締役
「ストーブをたいていると、かなり使ってしまうんですよね。そうすると、燃料で使っている人たちは本当にかわいそうかなと。だから、あまりあげたくないなと」
“早くまきの価格が落ち着いてほしい”と話しました。
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値上げの影響は、クリスマスシーズンにも及んでいます。東京・三軒茶屋の「アーモンド洋菓子店」では6種類のクリスマスケーキを販売予定だといいますが、まだ、クリスマスケーキを販売する値段をどうするか悩んでいるといいます。
アーモンド洋菓子店 米田幸介店長
「全部、海外から仕入れている。『クリスマスの時に、さてどうしようか』というのを今、考え中」
ケーキを入れる箱やヒイラギの飾り、ろうそくなど、クリスマスケーキには欠かせないものがすでに値上がりしています。さらに、ケーキに使われる小麦粉などの原材料が、今以上に値上がりすることを懸念しているためだといいます。
米田店長は、「上げざるを得ないことも、これからあると思うんですけど、来てくださるお客さんには負担かかってしまうけど、維持できるように頑張っていきたい」と話しました。
値上げや円安の影響は、今後も私たちの生活に響きそうです。