【解説】経常収支2兆円近い赤字 中国依存の影響も 日本の「稼ぎ」は?
財務省の発表によりますと、今年1月の経常収支は1兆9766億円の赤字でした。単月の赤字額としては過去最大です。また、1月の貿易赤字も1996年以降、過去最大となりました。
モノやサービスの取引状況を示す「経常収支」は1兆9766億円の赤字で、2014年1月の赤字額を上回り、比較可能な1985年以降、過去最大となりました。
■赤字の要因は?
内訳を見てみると、収支が悪化している主な原因は貿易収支です。比較可能な1996年以降、最大の赤字となりました。
輸出額が6兆8227億円だったのに対し、輸入額は10兆45億円と、円安やウクライナ情勢などの影響で、エネルギー関連の輸入が膨らみました。その結果、輸出から輸入を引いた貿易収支は3兆1818億円の赤字となっています。
エネルギー資源が少なく輸入に頼っている日本は、輸出をしても、赤字の方が大きくなってしまい、貿易で損をしているのです。
■中国依存の影響も
加えて1月は中国の影響も受けやすいといいます。1月は中国の旧正月「春節」にあたり、多くの取引がストップするため、中国への輸出依存度が高い日本は、毎年、輸出額が減る傾向があるようです。
■日本の「稼ぎ」はどこに?
一方で、海外からの旅行客が増え旅行収支の黒字幅は拡大しています。また、海外の金利が上昇して債権の利子が増えていることなどで、「第1次所得収支」での黒字は過去最大となりました。