ゼンショー小川会長“10年賃上げ”のワケ
コロナ禍で傷ついた経済の再生に、日本企業のトップたちは底力を見せられるのか? 経済界インタビュー企画、ゼンショーホールディングスの小川賢太郎会長兼社長です。
◇
――牛丼チェーン「すき家」などを展開するゼンショーホールディングス。新型コロナウイルスの影響は飲食業界を直撃しましたが今年は景気回復に期待しています。
ゼンショーHD・小川賢太郎会長兼社長
「2年パンデミックで苦しんできて、フードサービス、特にそうなんですけど、ただ足元の手応えとして、もうお客さまどんどん戻ってきてるなという感触を得ていまして。景気は大幅に回復してくるというふうに私はみています」
――景気回復のポイントとなるのは、賃上げです。
小川賢太郎会長兼社長
「まず自分のところで継続的な賃上げをやろうということで『10年間賃上げをやりますよ』という組合との約束を昨年行ったということです。1年だけ上げてもだめなんですよね。先行き不安だとなると使いませんから」
――小川会長は、外食産業のトップ企業として、継続的に賃上げを行い、個人消費の拡大をリードしたい考えです。
小川賢太郎会長兼社長
「GDPを上げるには個人消費ですよね。個人消費の源泉は賃金給料ですから、ここの部分を上げていかないとやはり消費に回らない」
――10年間の賃上げを約束する背景には、長期的な成長戦略への自信があります。
小川賢太郎会長兼社長
「ここから先の10年間、20年間の成長戦略を具体的に設計するということが、経営の最大の責任だと思うんですよね。足元だけ何とかするとか良けりゃいいんじゃなくて」
――去年10月には、全世界での出店が1万店舗を達成したゼンショーホールディングス。牛丼と寿司を強みに海外展開をますます拡大する方針です。