福島第1原発で爆発と白煙 4人ケガ
福島第1原子力発電所の1号機で、12日午後3時半過ぎに爆発音が聞こえ、白煙が上がったという。
東京電力によると、12日午後3時36分頃、福島第1原発の1号機で、復旧作業中に直下型の大きな揺れがあり、ドーンという爆発音が聞こえ、白煙が上がった。この爆発で、東京電力の社員2人と作業員2人の計4人がケガをしたという。爆発の原因など詳しいことはまだわかっていない。
こうした状況を受けて、経産省の原子力安全・保安院は12日午後5時から予定されていた記者会見を延期すると発表した。この理由としては、首相官邸と調整をした上で発表するためとしている。
福島第1原発の1号機では、炉心を冷却する水の水位が急激に下がり続けるなど不安定な状況が続いている。こうした状況で、燃料が溶け出す炉心溶融が起きている可能性がある。問題解決のためには燃料棒を冷却させる必要があり、引き続き注水作業を行って約半分露出している燃料棒を冠水させる必要があるとしている。
また、格納容器内の気圧が上昇していたことから、東京電力は、外に蒸気を逃がして格納容器内の圧力を下げる作業を行ってきたところ、成功したもようだと12日午後3時過ぎに発表していた。
一方で、蒸気が外に出たことから、すでに1号機の周辺地域で放射性物質であるセシウムとヨウ素が検出されたという。こうしたことから、保安院は自衛隊に出動要請をし、注水作業のための水を確保するため、ポンプ車による水のくみ上げなどを要請した。