「値上げの波」がクリスマスにも ケーキにプレゼント用の箱 電気代高騰で自宅イルミネーションも…
クリスマスにも「値上げの波」の影響が及んでいます。クリスマスケーキやプレゼント梱包用の段ボール、電気代高騰で自宅の「イルミネーション」にも影響が出ています。
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東京・八王子市にある閑静な住宅街。その中の1軒を彩っていたのは、クリスマスムード満点の「おうちイルミネーション」です。その家に住む川村敏郎さん(80)が1か月かけて、ほぼ1人で飾り付けをしています。バラ好きな奥さんへの愛情表現で、たくさんのバラの装飾が使われています。豪華なイルミネーションですが、気になるのは「電気代の高騰」です。
川村敏郎さん
「去年に比べると、2~3割上がってます」
毎年10万円ほどかかるイルミネーションの電気代が、今年はさらに2~3万円高くなると予想しています。それでもイルミネーションを灯し続ける理由は…
川村敏郎さん
「小さなお子さんが家の前に来て、みんなでワイワイ喜んでくれるのはうれしいですね。(物価高に)負けないように、それ以上に頑張ろうと」
イルミネーションは、「物価高で暗い世の中を明るく灯す」メッセージです。
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一方で、食卓に明かりを灯すクリスマスケーキにも「物価高の波」が押し寄せています。
神奈川・川崎市の「川崎日航ホテル」では、今年から定番のイチゴを使ったケーキなどを500円値上げしました。このホテルでは、小麦粉が約3割、卵は約2割、砂糖は約1割弱とケーキに欠かせない食材の仕入れ値が軒並み上がっています。
川崎日航ホテル シェフパティシエ 馬場園安秀さん
「この時期ですので、イチゴが少しずつ値段が高騰してきている。現時点ですと、1割前後の値上がりなんですけど」
クリスマスケーキに彩りを添える「栃木県産イチゴ」の仕入れ値が上がっていることも、今回の値上げに踏み切った理由です。JA全農とちぎによると、燃料費高騰のほかに、生育が遅れ、クリスマスケーキに適したサイズが少ないことも、価格が上がっている原因だということです。
さらにジワジワと痛手となっているのが…
川崎日航ホテル シェフパティシエ 馬場園安秀さん
「包材なども値上がりしている」
真心こめたプレゼントを包む箱にまで、「物価高の波」が押し寄せています。
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東京・葛飾区にあるダンボール箱の製造工場「坪川製箱所」では、クリスマスを前に出荷のピークを迎えていました。
坪川製箱所 坪川恵子専務
「今年は、2度の(紙の)値上げがありまして。(クリスマスなど)イベントが解除されてきて動き始めたところで、この値上げは本当に痛いですね」
原料となる紙の仕入れ値は上がっていますが、この会社では大事な稼ぎ時のクリスマスでの客離れを懸念し、段ボール箱の販売価格を据え置きました。とはいえ、機械を動かす電気代や輸送コストも上がる一方のため、年明けには、苦渋の値上げに踏み切る可能性もあります。
坪川製箱所 坪川恵子専務
「こちらのほうも努力はしますけど、(値上げに)ご理解いただければなと」
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クリスマスが終わっても、家計に厳しい「値上げの波」が待ち受けています。