２０１３年、２０１４年と２年続けて叶わなかったＴＰＰ（＝環太平洋経済連携協定）交渉の「年内妥結」という目標。果たして２０１５年には妥結できるのか。

　日本がＴＰＰ交渉に参加したのは２０１３年。毎年、「年内妥結」を目標に交渉が続けられてきたが、２０１４年もその目標は叶わなかった。米や牛肉など農産品の重要５項目や自動車部品などの関税の扱いについて日本とアメリカの２国間で難しい調整が続いているほか、ルール分野でも、アメリカと新興国との間で対立する知的財産の保護などで落としどころが見つかっていない状況だ。

　しかし、交渉の牽引役であるアメリカの政治日程を考えると、残された時間はほとんどない。アメリカでは２０１６年、大統領選挙が行われる。アメリカ議会の手続きや条約の事務手続きなどを考えると、今のオバマ政権のうちにＴＰＰを実現するには２０１５年春には合意に至る必要があるのだ。

　参加１２か国は２０１５年１月には早速、首席交渉官会合を開いて交渉を加速化させる方針だが、果たして春までに各国が納得できる結論を得られるのか。２０１５年、ＴＰＰ交渉は正念場を迎える。