来年度予算案を閣議決定 社会保障に優劣も
政府は14日、来年度予算案を閣議決定した。一般会計の総額で96兆円を超え、過去最大の予算案となった。
今回の予算編成で目を引いたのは、消費税率引き上げが延期されたことを受けて社会保障サービスに優先順位がつけられたことだ。子ども子育て政策の充実を予定通り実施する一方、年金が少ない人への手当は見送られた。
過去最大の総額96兆3420億円の予算のうち、社会保障費は31兆5297億円と今年度より1兆円以上膨らんだ。財政が厳しいことを背景に、毎年膨らむ介護の費用が予算編成の焦点の一つとなり、介護報酬は9年ぶりに減額された。これに対し、関連団体などからは「サービスの低下につながる」として強い懸念の声が上がった。それでも高齢者が増えることなどで、社会保障費は増加し続ける見込み。
麻生財務相は14日朝の閣議後会見で、「社会保障については、持続可能な制度としていくためには、今後とも給付と負担の両面について改革を行っていかなくてはならない」と述べた。
10年後には団塊の世代が後期高齢者となることから、社会保障費が一気に膨張することが予想され、今後、福祉サービスにも優先順位をつける必要性がますます高まる。