三菱重工「スペースジェット」開発中止を発表
三菱重工業は旅客機「スペースジェット」の開発を中止すると発表しました。“日の丸ジェット”として期待された国産初の小型旅客機はついに飛び立つことができませんでした。
三菱重工業は国産旅客機「スペースジェット」=旧MRJの開発から撤退すると発表しました。
スペースジェットは2008年に事業化が決まり、当初、2013年に最初の納入を予定していましたが、設計変更などでこれまでに6度、納入が延期されてきました。
さらに2020年には新型コロナの影響で航空会社から旅客機の需要が見込めない、として、開発の凍結を表明していました。
スペースジェットの開発にはこれまでにおよそ1兆円が投じられてきましたが、今後、事業化を進めるにはさらなる巨額の資金が必要で、採算が取れないと判断しました。
事業撤退に伴い、開発を担っていた子会社の「三菱航空機」も清算する見通しです。
官民が多額の開発費を投じた“日の丸ジェット”は一度も旅客機として飛び立てないまま翼をたたむ形となりました。