サムスンジャパンCEO 次世代語る2/4
サムスン電子ジャパンのCEO・堤浩幸氏に聞く「飛躍のアルゴリズム」。2つ目のキーワードは「スマートフォン端末シェアで世界トップ。でも、日本では5%…一体、何が足りないのか?」。
■世界シェアでサムスンがトップのワケ
――2015年のスマートフォン端末の出荷台数を見てみると、世界シェアでは22.3%と約4分の1を占め、アップルを引き離しトップの座に就いています。世界でサムスンがトップのワケとはどこにあるのでしょうか?
私たちは、技術においてはナンバーワンだと自信をもって言えます。ただ、技術だけではなく、お客様目線で、色々なソリューション、あるいはサービスを創造していくということをやっています。ですから、マーケティングですね。お客様志向の強い会社だということがいえます。それがこういう結果に反映されているのかなと考えています。
■しかし、国内ではシェア5%…この結果は?
――一方、国内でのシェアを見てみると…アップルがシェアの半分以上を独占し、サムスンはシェア5%と、6位にとどまっています。この結果を、堤さんはどう見ていますか?
私は、現実は現実として受け止めます。ただし、5%もシェアがある。つまり、ポテンシャルがそれだけあるということです。ですから、これだけやりがいのある会社、やりがいのある事業はないと思っています。かつ、私たちの「良いモノ」が、皆さんに体験できていなかったという反省点があります。
したがって、今は、私たちの良さを、さらに体験していただく機会を作ろうということで、色々なイベントなどを企画して実践しているところです。
――色々、企画されているということですが、世界では大きなシェアを占めているのに、なぜ国内では5%のシェアにとどまっているのでしょうか?
やはり「Galaxy」というスマートフォンのイメージを正しく理解されていない可能性が高い。「Galaxy」はスマートフォンなんですけど(そのイメージだけではなく)、「Galaxy」というのは「先進的」である、常に先を行っているということです。2つ目がチャレンジ「挑戦的」であるということです。それから、3つ目が、遊び心がある「面白いもの」だという、そういうイメージが「Galaxy」のブランドなんです。これは私たちのアピール不足だったという点もあるかもしれません。
■国内シェア拡大のためにしていること
――この日本でのシェアを拡大するためにどんなことしているのですか?
東京・丸の内の商業施設「KITTE」のイベントでバーチャル・ジェットコースターというものがあります。こちらは「Gear VR」といいまして、スマートフォンと合体するんですけど、これでバーチャルリアリティーを体験することができます。
要するに、私たちはハードウエアだけでない。ソリューション、アーキテクチャルプレイですよね。こういったもので、面白さをみなさまに体験していただく機会を多く作っていこうとしています。こういうVRも、ひとつのソリューションのツールとして、みなさまにご理解いただいているというカタチです。
――これはアプリなどと連動してゲームなどができるということなんですか?
ゲームもできますし、映画やドラマや色々なコンテンツがあり、これを装着することでその世界を体験することができます。