サムスンジャパンCEO 次世代語る1/4
スマートフォン「ギャラクシー」シリーズなどで知られるサムスン電子ジャパン。堤氏は「NEC」「シスコシステムズ」を経て、2015年4月にサムスン電子ジャパンに入社。同年12月には日本人として初めてのCEOに就任した。「チャレンジの連続」だったというサムスンでの1年に迫る。
■「サムスン」という会社
――サムスン電子ジャパンに入社してちょうど1年が経過しました。振り返ってみていかがでしょうか。
まさに、チャレンジの毎日です。マーケットも変革していますし、我々のビジネスもそれに基づいて変えなければいけない、それが毎日、チャレンジという形で進んでいます。
――具体的にどういったところを変えましたか。
やはり、マーケットのスピード感ですね。サムスンは非常にスピード感のある会社です。ですから、このスピードをさらに速めようということ、そしてポテンシャルのある企業ですので、そのポテンシャルを有効的に使う手段を日々考えておりました。
■日本で何をするべきか
――サムスンに入社した第一印象はいかがでしたか。
さきほども申しましたが、非常にスピードのある会社、ポテンシャルの大きい会社です。
――ほかの会社での経験も含めて、そう感じますか。
はい。サムスンはやはりグローバルな会社ということで、その中の日本というビジネスをやっているわけですね。グローバルな中で何ができているのか、その中の日本で何をしなくてはいけないのか、そういった意味ではチャレンジということになります。
やはりグローバルを考えながらビジネスをやっていく、それからスピード感、かつ「BtoB」「BtoC」など様々な事業をやっています。したがって非常にポテンシャルの高い会社だと理解しています。
■日本から価値を創造したい
――そのグローバルな中で課題はありましたか
グローバルな中で、日本の価値創造をどうしたらいいかというのがひとつのポイントですよね。パイの世界、いわゆるボリュームの世界では、日本はこれから厳しくなっていく可能性も高いです。ただ、一方で、価値観の創造という意味では、日本からいろんな需要が創造できると信じております。やはり、価値創造を日本からやりたいということで、グローバルにどうメッセージアウトするかというのがポイントだと思います。
■「4倍速」と「180度思考」
――たとえば社内では、どんな課題がありましたか
社内では、さらにスピード感を出すために「4倍速」ということを社員に伝えています。これは何かというと、マーケットもスピード感のあるチェンジをしていますし、私たちも同じスピードだとダメなわけです。
それよりもさらに前に行こうということでの「4倍速」、そしてまた、今までの発想を変えようということで「180度思考」、ようするに、今までやっていることをひとつふたつ変えるのではなくて、全部180度変えて、そこからアジャストしようという方向を持って、ビジネスを推進するということをやっています。
■「動く」より「立ち止まる」方がリスクは高い
――社員の皆さんのポテンシャルを最大限生かすために何か工夫されたことはありますか。
社員を信じるということ。それからコミュニケーションやコラボレーションを強化していく。そして、お互いが信頼していくこと。それから、失敗してもその失敗を許容しようということですね。
失敗も結果のひとつなんですよ。失敗をおそれずやる、ここにとどまるリスクの方が、いろんなアクションをするリスクよりも高いと思います。失敗をおそれずにやっていこう、ただし同じ失敗はいけません。
――そもそもの話になりますが、堤さんにとってサムスンとはどんな会社ですか。
サムスンというのは、本当にグローバルな会社。これは私が入社してから本当にわかったことです。かつ、本当にすごい力を持っている。ただ、今までその力が、この日本という市場で発揮できていたのか、ここは私たちもよく考えなくてはいけないところです。