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サムスンジャパンCEO 次世代語る3/4

2016年6月2日 18:16
サムスンジャパンCEO 次世代語る3/4

 サムスン電子ジャパンCEO・堤浩幸氏に聞く「飛躍のアルゴリズム」。3つ目のキーワードは「消費者向け製品を知らずして来るべきIoT時代を語れない」。

 「市場や製品、そしてソリューションにも境目が無くなってきている」と語る堤氏。そこには、IoTに対する明確なビジョンがあった。


■全てをつないでしまう

――よく聞きますが、IoTとはそもそも何なのでしょうか?

 IoTは「Internet of Things」の略で、日本語でなかなか直訳ができません。ただ、私が意図するIoTは人と人、あるいは、人とモノなど、全てのものをつないでしまう。

 要するに、今は市場も製品も色んなソリューションも境目が無くなってきているわけです。ですから、それらを全てつないでしまうというのが、いわばIoTというワードに集約されるのではないかと考えています。


――最近ではどのような取り組みをされていますか?

 例えば、VR(=バーチャルリアリティー)もそうですし、「BtoB」や「BtoC」を問わず、スマートフォンを使ったサービスモデルを作っていくということです。あるいは、私がいま身につけているスマートウオッチ“Gear S2”のような、アクセサリーとスマートフォンとの連動などです。

 全てのものをつなげるわけですから、これからもっともっと多くのものをつなげていく。それが真のIoTにつながってくるのかなと。もちろん、人と人をつなげるのも1つのソリューションですよね。


■スマホの次にあるもの

――「IoT時代」という盛り上がりがある一方で、業界はいま転換期を迎えていると思うのですが、どう捉えられていますか?

 いま、まさに変革期にあると思っています。これは、なにもITやスマートフォンの市場だけでないと思います。ですから、いまのスマートフォン市場も、今後そのまま続くかというとクエスチョンです。たぶん、スマートフォンの進化形が出てくる。

 いまは「スマートフォン」と言っていますけど、はたして「フォン」のままでしょうか?もしかすると、「アラジンと魔法のランプ」のような素晴らしいツールが出てくるかもしれない。私は、スマートフォンから「マジカルデバイス」というような形に代わっていくのかなという印象を持っています。


■皆さんと共に市場を作る

――いま考えていらっしゃる新しい試みはあるのでしょうか?

 いっぱいあります。全部言いたいんですけど、また別の機会に。ただ、私たちがやりたいのは、スマートフォンだけではないんです。「Galaxy」というブランドイメージを皆さんにご体験いただく機会を多く作り、皆さんと共有したい。決して私たちの会社だけとか個人だけではなく、皆さんと共に市場を作っていく。そして、新たな価値創造をしていきたいということを、私としては目標にやっていきたいなと思っています。


■色んなチャレンジを楽しむ

――そういった試みをしていくことで、日本市場のシェアも変わってきそうだなという予感はありますか?

 非常に大きな手応えを感じています。特に「BtoC」の市場は「明日はどうなるかわからない」ものです。ポテンシャルが大きいぶん、やりがいがあって色んなチャレンジができる。これを私は、まさしく「Galaxy」というブランドと同じで楽しみたいと考えています。


――色々なチャレンジがあるなかで、様々なアイデアを社内ではどうやって吸い上げていらっしゃるのでしょうか?

 コミュニケーション、コラボレーションを非常に大事にしています。私は社員を信頼していますので、自信のあることは「自信がある」と言いますけども、わからないことは聞きますね。

 ただ、社員だけではなくて、お客様やパートナー様などの市場の声が非常に大事です。「現場主義」という言葉がありますけども、まさしく真実は現場にある。そこからの情報の吸い取り、そして、社内での調和やパートナー様との調整等々を含め、新しい価値創造をしていきたいなと思います。

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