テレワーク田澤氏、社会を変える在宅勤務1
キーワードを基にビジネスのヒントを聞く日テレNEWS24・デイリープラネット「飛躍のアルゴリズム」。今回は株式会社テレワークマネジメント、ワイズスタッフ代表の田澤由利氏。在宅勤務やモバイル勤務などの「テレワーク」。その可能性を聞く。
■田澤由利さんの経歴
田澤さんは、上智大学を卒業し、シャープに入社するも出産と夫の転勤でやむなく退職。しかし、1998年、夫の転勤先の北海道に居ながらネットを通じてホームページ制作の業務を受託、テレワークのきっかけとなる「株式会社ワイズスタッフ」を設立。2008年には柔軟な働き方を広めるために、企業向けテレワーク専門のコンサルティング会社、「株式会社テレワークマネジメント」も設立し共に代表を務めている。
■在宅勤務のイメージは
――ひとつ目のキーワードは「家が会社になる!サボったらバレる『仮想オフィス』とは」。在宅勤務というと内職や副業というイメージが浮かんでしまうのですが違うのでしょうか?
どうしても離れた場所にある家で働くというとそういうイメージがあると思います。もちろんそういう働き方も含まれるのですが、在宅勤務というと勤務ですので会社に勤めている人が家でいつも通り働く、ちなみに私の会社では8割が在宅勤務をしているんですね。毎日会社に来ている人もいるのですが事情があれば、家で仕事をすることもできる。でもそれは場所が変わっているだけでいつもどおり働く。
家で働くというとサボっているのではないかと思われがちなのですが、そうならないように、色々な道具やルールを使って、しっかり働ける環境を作れば会社に行けなかった人も普通に働けるようになるんじゃないかということなんです。
――自宅にいて、いつでも好きなときに好きな格好で働いて成果だけを提出すればいいというのとは、やはり少し違うんですね。
もちろんそういう働き方もあっていいのですが、日本の働いている方のほとんどは時間が決まっていて、そこでみんなとコミュニケーションをとりながら仕事をしていますよね。それと同じように働くことができれば、何も会社に行かなくてもいいと。でもしっかり働ける。それを目指しているんです。
■「仮想オフィス」でもコミュニケーションは可能
――その「仮想オフィス」という状態は、どのようなものなのでしょうか?
うちの場合はインターネット上にオフィスを置いているんですね。「仮想オフィス」「バーチャルオフィス」と呼んでいるのですが(モニターを指し示しながら)これがうちのオフィスなんです。
オフィスのところに席のようなものがありますよね。いつでも社員が席にいるのか、どこかに出かけているのか、会議中なのかというのもひと目でわかります。何人かで会議をしているなというのもわかりますし、私はこのモニターの左上にある社長室にいるのですが、どこにいてもそこにいます。東京にいても、北海道に行っても、大阪に行っても、いつも私は社長室にいるんです。
例えば、すごく離れているある社員を呼び出してお説教したりとか、あるいは会議室の中に飛び込んで「ちょっと私もまぜてよ」と資料を共有しながら打ち合わせをしたりとか、もう本当に普通のオフィスにいるのと同じように仕事をしているんですね。
だから例えば家にいるからといって、ちょっと居眠りしていたりとか、パジャマのような格好でいたりしたら大変ですね。呼び出したのにいなかったら「何していたの?」と優しく聞いてみるとか。普通に会社にいる時と同じように仕事ができるということです。
――会社ではないところで仕事をしているというところでコミュニケーションについて不安でしたが、こういったツールを使っていくとコミュニケーションも取れるということですね。
いつでも話しかけたり、あるいは呼び出したり、会議に引っ張り出したりとか、そういうことができるということです。