ポイント、マイレージ活用で“地方活性化”
■ポイント、マイレージで地方活性化を
すっかりおなじみになった「ふるさと納税」だが、今月から自治体からの返礼品は寄付額の3割までに抑えることとされた。これによって、「ふるさと納税」で地方に向かうお金が少なくなりかねないが、それに代わる新たな仕組みが検討されている。
総務省は14日、クレジットカード会社のポイントや航空会社のマイレージなどを活用し、地方の経済を活性化する新たな取り組みについて話し合った。今年9月頃からの運用を目指し、準備が進められている。
■毎年“1200億円”が失効
総務省によると、クレジットカードや携帯電話のポイント、航空会社のマイレージなどを合わせると、毎年4000億円相当が発行されている。ただ、そのうち少なくとも約3割、1200億円相当は使われることなく失効してしまっているという。
「ポイントがなかなか交換できるところまではたまらない」という声を受け、新たな仕組みが検討されている。
■マイナンバーカードで“合算”
まず、仕組みを利用するには、マイナンバーカードが必要となる。自治体の窓口に、マイナンバーカードの裏面あるICチップを提示し、ポイントをためる「口座」を作る。
この「口座」に、クレジットカードの「ポイント」や、航空会社の「マイレージ」を合算することができる。中途半端にたまっていたポイントも、うまく合算できる仕組みだ。
その合算ポイントを各自治体のポイントに換えることで、その地方の特産品をインターネットで購入したり、観光施設の入場料として使うことができたりする。
例えば、大分県豊後高田市を選んで「豊後高田ポイント」に換えると、「おおいた豊後牛」「イタボガキ」などの特産品をインターネットで購入できるよう検討されている。
また、宮崎県都城市の「都城ポイント」を選べば、チキン南蛮スティックなどの地元の特産品をインターネットで購入したり、都城市の商店街で買い物したり、観光施設「島津伝承館」の入場料に換えたりすることが検討されている。
自治体としては、いかに魅力的なコンテンツを用意できるかが重要で、それによって、地方への訪問客を増やして消費を促そうとしている。
■ポイントとは何か
実はポイントというのは法律上、次回の買い物の際の値引きの約束にすぎないと整理されている。
そのため、期限を過ぎれば自動的に消滅するし、万が一、ポイントの発行会社が倒産した場合には、ポイントは無価値なものとなる。
こうした性質を踏まえた上で、どのようにすれば利用者にとって合理的な仕組みを作れるかが成功のカギになると思う。ポイントがたまっている利用者やカード会社などの企業、地方の自治体にとっても、お互いに良い仕組みになればと思う。