売り切れ続出「旅行支援」…SNSでは“便乗値上げ”指摘も
11日から始まった「全国旅行支援」に予約が殺到し、一部の旅行サイトでは早くも売り切れが相次いでいます。政府は、自治体に対応を促していることを明らかに。こうした中、SNS上では宿泊料金の“便乗値上げ”をする施設の存在が指摘されています。
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日本のシンボルの1つ、東京タワーの中に先週、忍者専門ショップ「NINJA PROSHOP TOKYO」がオープンしました。手裏剣を投げたり、職人が手作りする刀など、本格的な忍者の道具に触れたりできる場所です。
NINJA TOKYOグループの横川毅・代表取締役は「個人旅行の方々が、一日でも早く増えてくれることを期待しています」と話しました。
前日の11日から、外国人観光客の個人旅行が解禁されたほか、入国者数の上限も撤廃されたため、「外国人観光客が多く来店するのではないか」と心待ちにしていました。
南アフリカからの観光客
「来日しやすくなって、来る人がもっと増えるでしょう」
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東京の松屋銀座では12日、化粧品売り場の店員が通訳機の使い方を習っていました。「化粧水はありますか?」と日本語で通訳機に吹き込むと、「Do you have lotion?」と、英語に翻訳されました。
コロナ禍で外国語に対応できるスタッフが少なくなっているため、外国人旅行者の増加に対応するために通訳機を導入したということです。この店では、すでに海外客が増え始めているということです。
松屋銀座・顧客戦略部 顧客政策課 龍野由木さん
「長かった冬がやっと終わりを告げるのかなって、期待感が非常にあります」
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水際対策の緩和に加え、「全国旅行支援」も始まり、観光に目が向けられています。
そんな中、HISでは、旅行支援の期間前から予約が相次いだため、割り当てられた予算では、“事前予約した人すべて”を割引対象にできないことが判明しました。10月中に出発するプランは「割引の対象外」とし、14日から、11月以降に出発する「新たな割引専用プラン」を発売するということです。
12日、松野官房長官は「全国旅行支援の円滑な実施がはかられるよう、努めてまいりたい。事業者間の予算配分の見直しや、追加配分を行うよう、国土交通省から都道府県に対して促しているものと聞いています」と述べました。
全国旅行支援について、一部の予約サイトですでに予算の上限に達し、受け付けを終了しているところも出ているとして、松野官房長官は必要に応じ、国から都道府県への予算の追加配分に対応する考えを示しました。
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さらにSNSでは、旅行支援がある分、宿泊料金を値上げする「便乗値上げ」をしている宿泊施設の存在も指摘されています。
山梨県観光文化政策課 樋田洋樹課長
「事業者向けのマニュアルも作成しておりまして、宿泊料金の便乗値上げ等についての注意喚起をうたって、周知をしているところです」
20日から始まる東京都など一部の自治体では、“便乗値上げ”をした場合、支援の対象外になります。
航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さん
「値段を上げすぎてしまうと、予約をする人がいなくなってしまうということで、高く上げすぎたところが予約が少なくなり、値段を下げているということもあります。料金がリアルタイムで変化していくという状況が、今後も続いていくと思います」
外国人観光客も増える中、今後、宿泊施設の値段は、さらに上がっていくとみられるということです。