ENEOS“セクハラ対策” 外部専門家「不十分」
セクハラによる役員の退任が相次いでいるエネオス。再発防止策を外部の専門家に評価をしてもらった結果、「役員の懲罰規定がけん制機能を果たしておらず、役員向けのコンプライアンス研修も十分でない」との結果だったことを公表しました。
エネオスでは2022年に当時の会長、2023年には当時の社長とトップが2代続けて女性へのセクハラ行為で辞任しました。さらに今月、グループ会社の会長もセクハラ行為により解任されています。
ENEOSは28日、去年2月に策定した「人権尊重・コンプライアンスに関する取り組みの強化・再徹底について」と題した再発防止策を、外部の専門家に分析・評価してもらった結果を公表しました。
結果は、取締役の行動管理について「過度な飲酒を抑止する仕組みが講じられていなかった」などの分析があり、役員向けコンプライアンス研修の定期実施を強化すべきとの指摘がされました。
詳細は以下。
早期発見や是正を目的とした「内部通報制度」と「役員の処分プロセスの明確化」については「有効」。しかし、けん制や懲罰を目的とした「役員懲罰規定の導入」は「懲罰機能は有効に果たしたが、けん制機能は果たさなかった。けん制機能には限界があり、他の仕組みで補完する必要がある」。
また、不適切行為の予防のための「役員選定における人材デューデリジェンスの実施」と「役員向け人権尊重・コンプライアンス研修の定期実施」については「要強化」。「人材デューデリジェンスにおいてコンプライアンス関連項目へのアプローチが不十分」、「(研修の)取り組みは実施しているものの、十分であったとは言えない。また取締役の行動管理に係る具体的なルールが定められていない」。