相次ぐトップ不祥事…ENEOSグループ会社で会長が「セクハラ解任」
石油元売り大手「ENEOS」のグループ会社の会長が飲み会で女性の体に触るなどのセクハラ行為を行ったとして21日、解任されました。ENEOSをめぐっては、2022年に当時の会長が、そして去年12月には当時の社長がトップを退いたばかりです。
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また、飲み会の場でのセクハラ行為が発覚しました。
ENEOS
「当社のグループ会社であるジャパン・リニューアブル・エナジー会長安茂氏が不適切な行為を行い、これにより会長職を解任されました。極めて遺憾です」
石油元売り大手のENEOSが21日に発表したのは、グループ会社の会長の解任でした。21日付で解任されたのは、風力発電事業などを行うグループ会社の会長だった安茂氏。
社の広報によると、去年12月下旬、飲み会の場で会長だった安氏による不適切な行為があったと内部通報窓口に通報があったといいます。調査の結果、飲み会で女性の体を触るなどの行為をしていたことがわかり、社は「セクハラ行為」と判断。解任したということです。
セクハラ行為があった去年12月と言えば…
ENEOSの会見(去年12月)
「2年連続で経営トップによる不適切行為がなされたことは、痛恨の極み」
ENEOSは、トップが2代続けて女性へのセクハラ行為で退く異例の事態となり、謝罪会見を開いていたのです。
2022年に“冷静”な行動を強調していた当時の杉森会長は、飲食店の女性従業員のドレスの中に手を入れて胸を触ったり、キスを強要したりしたことで、同じ年に辞任しました。
去年、解任された当時の斉藤社長は、懇親会の場で同席した女性に酔った状態で抱きついたことが内部通報で発覚し、解任されました。
ENEOSの会見(去年12月)
「度を越して飲酒したこと」
「記憶がない状態だと」
斉藤前社長は去年12月の「news zero」の取材に対し、酒の失敗に反省の言葉を繰り返していました。
――飲み過ぎた?
ENEOSホールディングス 斉藤猛前社長(去年12月)
「そうですね。そんなに飲まない方なんですけどね。残念です。お酒っていうのは(飲み過ぎると)良くないと…すいません」
2022年、去年、そして今回とトップを退く理由は、全て女性へのセクハラ行為。
今回、解任となった安氏は社内のヒアリングに対し、「飲んでいたため記憶がなかった」というような趣旨の話をしているということです。21日夜、私たちは安氏の自宅を訪ねましたが、姿は確認できませんでした。
街の人は――
会社員(40代)
「びっくりですし、そういったことは氷山の一角じゃないけど、いっぱいあるのかなと」
社会人1年目(20代)
「根本的なところが良くないんじゃないかなと」
一方で、内部通報窓口からの発覚に関する意見も聞かれました。
会社員(30代)
「内部通報の制度があるのは非常にいいと思うし、それが機能しているのは素晴らしいと思う」
経営者3人連続の不祥事に専門家は次のように話しました。
企業リスクに詳しい桜美林大学・西山守准教授
「問題が起きたときにしっかり対処する仕組みは非常にできているが、肝心の問題を起こさない仕組みが全然追いついていない。経営者のモラルというかコンプライアンス意識が希薄といえる」
もし、自分が被害にあったとしたら、どうすればよいのでしょうか。
桜美林大学・西山守准教授
「ハラスメントというのは企業の不祥事でも一番多い。いくら制度が充実していても、いった・いわない、やった・やらないに必ずなってくる」
「ちゃんとやりとり録音しておく、ライン・メールのやりとりを保存しておくことが重要」
ENEOSは「不適切行為の発生を重く受け止め、人権尊重・コンプライアンスに関する取り組み強化・徹底にグループ一丸となって取り組んでいく」としています。
(2月21日放送『news zero』より)