物価高で今年の家計は?――2年間の負担増は「13万円超」、去年以上の「値上げラッシュ」か 6月以降に落ち着きも
ある試算によると、物価高による家計への負担増は2年間で13万円を超えます。今年は4月までに7000品目以上の食料品の値上げが予定され、同期比では去年以上の「ラッシュ」となりそうです。一方、6月以降はモノの値段が落ち着くとの分析もあります。
有働由美子キャスター
「物価高で、家計への負担がどれくらい増えるのでしょうか。みずほリサーチ&テクノロジーズの試算(2人以上世帯の平均、物価高対策あり)では、2022年度に9万6368円、2023年度に3万9750円で、合わせて13万6118円になります」
「さらに、帝国データバンクによると今年1月~4月で値上げが予定されている食料品は7152品目です。今年も家計が厳しい状況は続きそうです」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「7152品目というのは去年の同じ時期と比べると1.5倍で、この春までは去年以上の値上げラッシュになりそうです。具体的には冷凍食品や水産缶詰、麺製品といった加工食品が全体の半数を占め、3798品目に上ります。再値上げや再々値上げも目立って増加しています」
「次に多いのが酒類・飲料の1442品目で、2月以降に値上げが本格化する見通しです。しょうゆやドレッシングといった調味料も1343品目が値上げとなりそうです」
有働キャスター
「冷凍食品はお弁当に欠かせませんし、調味料も毎日使います。この状況は収まらないのでしょうか?」
小栗委員
「もうしばらくは辛抱が続きそうです。ただ、みずほリサーチ&テクノロジーズは『今年6月以降になると物価高は緩やかに落ち着いてくる』と分析しています」
「物価高騰の大きな要因は記録的な円安や原油価格の高騰でしたが、円安については新年早々、一時1ドル=129円台をつけるなど徐々に落ち着いてきています」
「原油価格については、去年ピークは既に越えていましたが、日本の輸入価格が下がらなかったのは円安の影響があったからでした。このため、どちらも落ち着けば6月以降、モノの値段は下がってくる可能性があるとしています」
有働さん
「辻さんは物価高の影響はありますか?」
辻愛沙子・クリエイティブディレクター(「news zero」パートナー)
「最近行ったラーメン店では『従業員の生活を守るために値上げします』と張り紙がありました。お店の人や生活者にダメージが行くと考えると仕方ないなと思わざるを得ません」
「ただ、事業者と消費者の間でこうして痛み分けをしていますが、国の対策がまず第一に必要なのではないかなと切実に思います」
有働キャスター
「そうですね。岸田首相は4日、今年最初の記者会見で『賃金が毎年伸びる構造を作ります』と強調しました。これは多くの人が願っていることです。言ったからには実現してほしい、今年注目の約束になります」
(1月4日『news zero』より)