好きな時間に好きなだけ働ける「スキマバイト」。登録者数がこの半年あまりで、1500万人から2800万人にまで増えているということです。その理由を取材しました。

　　　◇

5日、多くの人で賑わっていたのは、一見、普通の飲食店。ただ、メニューには…

記者
「こちらで提供されている料理のメニューなんですが、料金が『10分円』となっています」

実は、行われていたのは隙間時間にアルバイトをする「スキマバイト」を“10分間だけ”体験できるイベントです（※今月8日まで）。

履歴書や面接は一切必要なく、飛び込みで参加可能。キッチンからホールへ、料理やドリンクを受け渡す係を担当した人たちは…

「スキマバイト」を体験
「14番さんにお料理とドリンク、お願いします」

「はい喜んで！」

“先輩バイト”の指導を受けながら、皿洗いも。“10分間”はあっという間に過ぎていきます。

体験が終わると…

イベント店長
「引換券差し上げちゃうね」

店長からもらえるこの「引換券」で、渋谷にある老舗中華のメニュー5品のうち1つと交換してもらえます。早速、料理を口にした体験者は…

「スキマバイト」を体験
「めっちゃおいしい」

ここではほかにも、ティッシュ配りや看板持ち、着ぐるみを着て店に客を呼び込むといった「スキマバイト」が体験できます。

「スキマバイト」を体験した人は…

「めちゃくちゃ楽しかったです」
「やったことないことやるのが楽しかったし、またやってもいいかなって」

この日だけで、200人近くが体験したということです。

スキマバイトの魅力を伝えるために行われたこのイベント。実はスキマバイトの登録者数は、半年あまりで1300万人ほど増え、約2800万人に上っています。（今年3月末時点：約1500万人、先月1日時点：約2800万人、一般社団法人スポットワーク協会による）

街で聞いてみても…

フリーター（20代）
「配達の荷物を区別するバイトで、4～5回くらい」

──どうしてスキマバイトを選んだ？

フリーター（20代）
「ちょっとでも足しになったらと思って。バイト生活で、時間あくともったいないので」

大学生（20代）
「（スキマバイトで）飲食店のホールをしたこともありますし、海外の方がいるモーニングを提供するところで働いたこともある。すぐに給料が振り込みされるみたいで、そういったところも安心というか」

　　　◇

「スキマバイト」を活用しているカラオケ店では…

カラオケ店店長
「忘年会で集まろうという機会が多くなるので、12月は繁忙シーズンになる。いま話題になっている年収の壁103万円ってあるけど、12月、一番忙しくなるタイミングに人が使えないことが多い。（スキマバイトが）いなかったら、営業できるかできないかが分からないという日も、12月は出てくると思う」

“人手不足解消のカギ”としても注目されるスキマバイト。ただ、スキマバイトを巡るトラブルの相談を受けるNPOは、応募する際、注意してほしい点があると指摘します。

──「スキマバイト」応募の際の注意点

「NPO法人POSSE」鴫原宏一朗さん
「（求人サイトで）賃金・職務内容・労働時間といった、働くときの条件があいまいなものは、現場に行ったときにいかようにも、指示をすることができてしまう」「闇バイトをしなければならないような人からの相談は時々ある。事前に聞いていた内容と違うことをやる場合には、強い意志を持って『それはできません』と言う。もしくは労働組合やNPOに相談をするということをしていただきたい」

　　　◇

「スキマバイト」の体験イベントを主催する「メルカリ ハロ」は、「闇バイト」などの不正利用については、登録事業者への審査などによって、未然に防止するとしています。

（12月5日放送『news zero』より）