日銀の黒田総裁は現在の金融緩和策を長く続けると公表した。長期金利については０％程度を維持する方針は変えないものの一定の上昇を容認する考えを示した。

日本銀行・黒田東彦総裁「（物価上昇）２％の達成時期が後ずれするという状況で、現在の金融緩和を長く続ける必要がある」

日銀は、企業の利益拡大や賃上げにつなげるために２％の物価上昇を目指している。しかし、３１日の金融政策決定会合で今年度の物価上昇の見通しを１．３％から１．１％に引き下げた。

日銀は、物価の上昇は想定よりも時間がかかるとして、現在の「きわめて低金利の金融政策」を粘り強く続けることを決めた。ただ、これまで０．１％程度までに抑えていた長期金利は２倍程度までの上昇は認める方針。

黒田東彦総裁「国債市場は取引が縮小して機能を低下させているので、変動の余地を与えることで取引もより活発化していくのだろう」

黒田日銀総裁はこのように述べた上で、長期金利の引き上げを意図するものではないと強調するとともに、より強力な金融緩和策を持続する考えを示した。