自販機から熱々のトーストが…昭和レトロな「ドライブイン」人気!
かつては各地の道路沿いで目にした「ドライブイン」が、若い世代から注目されています。トーストや、手作りのチャーシューメンがでてくるなど、“年代物の自販機”を使ったグルメも人気となっています。
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香川県さぬき市の国道沿いに見えてくる“時の流れを感じさせる”看板。その見た目から「要塞(ようさい)」とも呼ばれる建物ですが、一歩なかに入ればオシャレな空間が広がります。この建物は、1964年にオープンしたドライブイン「大川オアシス」です。
ドライブインは、かつて、全国各地の道路沿いに数多く存在した、ドライブ途中に休憩することができる飲食店です。
大川オアシス・本村英司社長
「アメリカの西海岸に研修旅行に行かれて、ドライブインを見てきて。車がどんどん出てきた時代だし、(店が)時代に合っていたんでしょうね」
オープン当初はにぎわったといいますが、高速道路の建設や「道の駅」の登場で徐々に衰退していきました。
そうしたなか、数年前から“追い風”が吹いています。昭和レトロブームやSNSなどの影響で、若い世代から再び注目されるようになりました。
ドライブイン「大川オアシス」を訪れた人は――
「レトロな感じ。あまりこういった感じのところないので」
「最近また、インスタではやっているのを見て来ました」
瀬戸内海を眺めながら食べる洋食や、クリームソーダが人気だということです。
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群馬県藤岡市にある「ドライブイン七輿」は、昭和時代のまま、時が止まったよう…。名物は自動販売機グルメです。ボタンを押して待つこと約40秒…熱々のトーストが出てきました!
1番人気は、1日に100食以上売れることもあるという、手作りの「350円のチャーシューメン」。自家製チャーシューはザラメが隠し味です。他にも、ソバやハンバーガーと、メニューは至れり尽くせりで、手作りの味と珍しい自動販売機を目当てに、関西方面から来る客もいるといいます。
埼玉から来店(40代)
「世代的には懐かしい。なんかウキウキする」
埼玉から来店(30代)
「本当に(商品が)出てくるのかなとは心配だったけど、普通に出てきて、温かいしおいしい」
店の創業は1975年。自動販売機は、オープン当初から現役のものも。ラーメンは、注文を受けてから湯切りし、最後にスープが注がれます。すでに、これらの自動販売機の生産はストップしているため…。
ドライブイン七輿・木村清さん(75)
「壊れますね。故障はありますよ」
大切にメンテナンスしながら使っているということです。
ここ数年は、家族連れや若者同士の客が増え、観光地にもなったドライブイン。木村さんは、「わざわざ遠くから来てくれる。続けていきますよ、この機械がある限り。生きている限りね」と話しました。