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大手ネット証券初の女性社長の素顔とは 1

2019年6月18日 17:32
大手ネット証券初の女性社長の素顔とは 1

様々なジャンルのフロントランナーからビジネスのヒントを聞く「飛躍のアルゴリズム」。ゲストは、マネックス証券社長の清明祐子さん。大手ネット証券初の女性社長としても注目される清明さん、彼女が切り開いてきた道、そして視線の先にあるのは?(聞き手:日本テレビ報道局・宮島香澄解説委員)


■男性ばかりだった行員の世界


――清明さんは、大手ネット証券の初の女性社長。そして41歳の若さです。社長に就任して2か月ほどですが、周りの反応はどうですか。

かなり驚かれてしまっていて、たくさんの方から電話やメールなどをいただきました。


――こちらに三和銀行時代の写真があります。どういった時の写真なのでしょう。

三和銀行の寮で対抗する運動会の時の写真で、周りはみんな同期です。


――これを見ると、本当に周りは男性ばかりですね。この様子が当時の金融機関だったと思いますが、どうして金融機関に入ろうと思ったんでしょう。

銀行は営業・調査などいろんな業務があって、自分のキャリアの幅を広げていけるのかなと思ったのと、あと大学時代の近しい先輩が銀行員だった方が多かったというのがありました。最初は大阪の梅田支店に配属されて、法人営業を担当しました。


■取引先から「えっ、次は女なの?」


――ここで1つ目のキーワードに入ります。『お前、普通でいいの?プロになりたいの?』…三和銀行時代に言われたこの言葉が心に残っているということですが、どなたの言葉ですか?

これは、当時の上司から言われた言葉なんですが、衝撃的すぎて今でも光景を含めて覚えています。これを言われて「普通でいいです」とはなかなか言えず、どちらかというとプロになりたいですと答えました。支店の中でも最も怖いとおそれられている上司からの言葉でした。


――やはり当時の営業というのは相当厳しかったのですか。

今の営業がわからないですが、経験がなかったのでやはり数字をもってというのは、ちょっと想像がつかなかったです。


――当時は営業の女性も少なかったと思うんです。やはり取引先の反応なども心配だったと思うんですが、実際はどうでしたか。

最初は先輩についてサポートということで、一緒に営業に行くんですが、1人立ちをして「次は私が担当です」と言っていろんな会社を回りました。何社かの社長さんからは、「えっ次は女なの?」とは言われたこともあります。

最初はびっくりしましたが、ここでひるんではいけないと思って、そのような反応のあった会社には、毎日のように通うということをしました。銀行にはたくさんの伝票がありますが、ほぼ全ての伝票や資料を持ち歩いて、何か言われたときにさっと出せるような形でと思い、回っていました。そうすると「よく来るなあ」、関西なので「しつこいなあ」と(笑)。


■厳しい先輩ばかり、でも筋が通っていた


――そうしていくことで変化はありましたか。

そうですね。そのように通わせてもらうと、日々求められていること、困っていることも違う中で、「これどうですか?」という風に提案すると、「うちのことを理解して営業してきているな」と理解してもらえたりして、仕事もうまく回るようになりました。


――やはり銀行というのは得るものも多かったと思うんですが、働き方というのはその後の清明さんにとって、どんなものになりましたか。

社会人としての基礎は、当時の梅田支店にあると今も思っています。厳しい先輩ばかりだったんですが、今考えると常に筋が通っていたのが、「常にお客様のことを考えること」を教わってきたと思います。それが今も生きているんではないかと思います。


――その時の上司は怖かったけど、プラスだったわけですね。

プラスですね。今も時々、お会いさせていただいていて、「(当時は)怖かったんですけど」というのは今も言っています(笑)。



【清明祐子さんプロフィル】
2001年に京都大学経済学部を卒業。当時の三和銀行に入行し、法人営業や証券化などの仕組みを利用して資金調達を行う「ストラクチャード・ファイナンス」に従事。2006年にファンドビジネスを行う株式会社MKSパートナーズに参画、2009年にマネックスグループの投資銀行にあたるマネックス・ハンブレクト株式会社に入社し、2011年には代表取締役社長に就任。2013年にマネックスグループ本社に転籍し、マネックス証券の常務、専務、副社長執行役員を経て、今年2019年4月に社長に就任した。国内5大インターネット専業証券初の女性社長となる。

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