スポーツや読書も! 複合型レストラン続々
食べるだけでなく、プラスアルファが楽しめる複合型レストランが今、続々オープンしている。スポーツや読書も楽しめるレストラン。いったいどんな施設なのだろうか。
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■店内に卓球台…ラケットがモチーフの料理も!
東京・渋谷にあるシックな内装のレストラン。イタリアンを中心とした料理が楽しめるが、一部、風変わりな形のメニューが存在する。取っ手付きのお皿に盛られたスイーツ、そして、ベリー味の丸いアイスキャンディー。ともに、ある物をモチーフにして作られている。
THE RALLY TABLE スタッフ・富樫茉美さん「こちらは卓球をモチーフにしてまして、ラケットの形をモチーフにしております」
なんと、お店の一角に卓球台! ここは、食事と卓球が同時に楽しめる複合型レストランなのだ。食後に卓球をプレーしたお客さんは…。
卓球を利用した客「料理を食べながら、ちょっとした隙間で遊んだりとか。新しい遊び場になっていて、面白いと思います」
なぜ、レストランに卓球台を?
T4 TOKYO 広報担当・伊藤瑞花さん「元々、卓球スクールとか卓球用品の会社を運営していて、レストランに卓球台があったら、もっといろいろな形を楽しんでいただけるんじゃないかという思いから始めました」
一見、ミスマッチにも見える卓球台。しかし、意外なメリットが生まれた。
T4 TOKYO 広報担当・伊藤瑞花さん「卓球で盛り上がってきて、のどがかわくので、そこでお酒を飲まれたりという方もいますね」
食後に運動したお客さんが再びドリンクをオーダー。注文のループで、より高い客単価を生み出している。
こうした、飲食と他の業種を組み合わせた複合型レストランは、今、広がりを見せている。今年、男女約1000人に調査したアンケートによると、約7割が「複合型飲食店に行ったことがある」と回答した。
■料理ができるまでジムで体を…
一方、東京・千代田区にも、複合型の飲食店がある。サラダを中心としたテークアウトがメインのこのお店。看板メニューは、鶏肉をふんだんにトッピングしたサラダボウルだ。
BROS TOKYO 代表・中倉美雪さん「緑黄色野菜を中心にとっていただけるようにしています」
一見、普通の飲食店だが、注文をしたお客さんが商品を受け取らず、地下に下りていく。私たちが階段を下りて発見したのは、なんとジム。実は、注文をして、メニューができ上がるまでの約10分間、ジムを無料で使うことができる。サラダの1日1回のテークアウトと、ジムの利用を月額制で提供している。
毎日来ている常連客「毎日(会社の)お昼の休憩を使って来ています。10分で少し体を動かせて、すごく便利だと思います」
■図書館と複合した店のメニューは…?
一方、東京・渋谷の繁華街のビルには、都会のけん騒とはほど遠い複合型のレストランがあった。本棚形の扉を開けると、そこは本に囲まれたスタイリッシュな空間。読書をしながら食事も楽しめるという、図書室と複合したレストランだ。
読書家のスタッフらがセレクトした約1万冊の本は、時間無制限で読み放題。また、料理は、お客さんがより本の世界に没頭できる「ある仕掛け」があった。
メニューを見ると、料理の隣には名の知れた本の数々。実は、本の中に登場する料理を再現したという。梨木香歩さんの「西の魔女が死んだ」からは、主人公のおばあちゃんが焼いたキッシュを、アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」からは、作中に登場するくん製のニシンを再現している。
20代大学生「メルヘンというか、夢があるなというか。書いた人の気持ちになれそうですよね」
20代会社員「本の中にいるみたいな気持ちになれるので」
お客さんの気分はまるで本の中の登場人物。複合型レストランは意外なアイデアの宝庫かもしれない。