生涯現役 おばあちゃん達の葉っぱビジネス
徳島県の人口1500人ほどの町でおばあちゃんたちによる「葉っぱビジネス」が産業の柱になっている。なぜ、葉っぱがビジネスにつながるのだろうか?
山道を分け入って葉っぱを採っているのは82歳の西蔭さん。定規で1枚1枚の大きさを測るが…
西蔭さん「ないんよ、ちょうどいい大きさが」
お目当ての葉っぱを見つけるために自分の山を歩き回る西蔭さん。ここまでこだわる理由は、この葉っぱが高級料理を彩るからだ。
西蔭さん「料理の値打ちも変わってきます」
徳島県上勝町で行われている葉っぱビジネス。町の葉っぱが、料理の“つまもの”になる。上勝町では156軒の農家が“つまもの”用に葉っぱを売っている。注文はネットでとるので作業場にはパソコンがある。
早い者勝ちなので、注文受け付け開始時間になると競争が始まる。パソコン画面にかじりつき、何度もマウスをクリック。スタートダッシュで注文が取れると丸印が表示され、取れないとばつ印表示される。パソコンだけではなく、タブレットも使い四六時中取引をチェックする。
おばあちゃんたちがモバイル機器を使いこなせるのは、葉っぱビジネスを管理する“いろどり”の社員がサポートしているからだ。今ではFacebookも使いこなしている。
西蔭さんは、“つまもの”になりそうな植物を見つけて育てている。
西蔭さん「ここに刺身並べるとか、天ぷらを置くとか。(葉っぱは)軽いしきれいだし、定年がないので100歳まで現役で頑張ろうと思っています」
おばあちゃんたちの葉っぱビジネスが上勝町の産業の柱になっている。多い人は年間1000万円売り上げる。
四国で1番人口が少ない上勝町。葉っぱビジネスは33年前に農協指導員の横石知二さんの発案で始まった。町の未来を案じて、女性でも高齢者でもできる産業としてスタートした。高級料亭に出向いたり、町に料理人を招いたりと勉強会を重ね、3年で売り上げは20倍になった。
1999年には発案者の横石さんを代表に法人化し“いろどり”を設立した。ネットを使った販売システムを構築し、現在は年商2億円を超える上勝町を代表する産業になった。
横石さんはこれまで家庭の脇役だった主婦たちをビジネスの主役にした。掲げた合言葉は“人生の主役は自分”だ。
横石さん「あんたがおるから、これやれたよねっていわれることが、最高の人生であり、私がつくるものということに対してのモチベーションが上がることによっていい商品ができる」
【the SOCIAL viewより】