【お得で安心】メーカー“公式中古品”の魅力 家電や服、ピアノも『every.気になる!』
パナソニックは先月、中古の自社製品の再生・販売の強化を発表。アパレルメーカー・オンワードもリユース品を以前から販売するほか、ヤマハも職人の手でピアノを“再生”しています。お得に買える、メーカーが認める“公式中古品”を調査しました。
ドラム式洗濯乾燥機に、大容量の冷蔵庫。これらの商品は、どれも「新品」のように見えますが、実はすべて「中古品」なんです。
4月10日、パナソニックは環境に配慮し、中古の自社製品を再生して販売する取り組みを強化すると発表しました。
パナソニック・宮地晋治執行役員
「お客さまに安心して提供できる仕組みをつくり上げて、メーカー中古再生品という定義をつくっていきたい」
中古品といっても、配送時に傷がつくなど、一部に不具合があった商品をメーカーが回収・修理した“再生家電”です。
こちらの冷蔵庫は番組調べで、発売当初の参考価格は約35万円でしたが、中古再生品は26万5千円ほど(4月16日時点)で2割ほど安くなっています。同じく、去年発売された洗濯乾燥機も、通常の販売価格約22万円から17万5千円ほどで約2割安く購入可能に。
こちらはアパレルメーカー・オンワードが展開する東京・吉祥寺にある店舗「オンワード・リユースパーク」。店に並ぶ3000点以上の服はすべて、新品ではなく中古品。いわゆるリユース品です。
主婦(40代)
「リユースにしてはきれい」
主婦(30代)
「きれいなものが多く、選びやすい」
気になるお値段はというと、4年前に発売された2万円の春物のプリーツスカートは、リユース品なら3300円。同じく4年前、3万円だったリネン素材のシャツワンピースは、4400円です。
初めて店に来たというお客さんに、気になる!班が話を聞いてみました。
──何点買った?
初めて来店した会社員(30代)
「10点。ニットとかこれからの時期着られるもの」
春物のブラウスやニットなど10点で、総額約3万円でした。
店にある商品は、ほとんどがメーカーがお客さんから引き取った服。オンワードでは自社製品のみ、リサイクルを目的に店舗などで服の引き取りサービスを行っていて、1点ごとに500円分のポイントがつくそう。そのポイントは、次に服を購入する際に使えるという。
主婦(50代)
「リサイクルショップに行くより、オンワードをよく利用するのでポイントはありがたい」
では、どれだけの服が集まってくるのか。メーカーの工場に行ってみると、山積みになった大量の服を仕分けしていました。
オンワード樫山・山本卓司さん
「1日平均すると3000〜3500点ほど倉庫に集まります」
こうしたリユース品には、メーカーが扱うからこそのこだわりがあるという。
オンワード樫山・山本卓司さん
「品質、商品の状態にはこだわりをもって、検品を繰り返しお客さまの手元に届けている」
服は一つひとつ、厳しくチェックされます。たたまれた服は「合格」。少しでも問題があれば、すぐにより分けられることになります。はたしてどんなものが不合格に?
──これ(たたまずに分けられた服)はもうダメなもの?
「糸つれがあるので」
“糸つれ”とは生地に傷が付き、糸がほつれてしまった状態のこと。よく見るとわずかに糸が飛び出しているのがわかります。この程度であっても不合格。ちなみに、不合格となった服は手袋や毛布などにリサイクルされるそうです。
また、“公式中古品”の中にはピアノもあります。
ヤマハの楽器を扱う「昭和楽器 春日部店」では、中古ピアノをメインに販売しています。価格は40万円から150万円ほど。新品に比べ2割ほど安く購入できるといいます。こうした中古ピアノは、横浜市など全国3か所にあるヤマハの自社工場で修理されたもの。
ヤマハピアノサービス・飛田泰一さん
「横浜センターの場合、月に200台ぐらいは買い取りします」
買い取ったピアノは、職人が劣化した部品を交換するなどして“再生”。再生されたピアノは、新たなお客さんのもとへ。
娘のためにこのピアノの購入を決めたというお母さん(40代)は、「音色が気に入ったみたいで、“絶対このピアノがいい”と」と言います。
娘(小4)
「やさしい音色で気に入っています」
メーカーが認めた職人の手によって生まれ変わった中古ピアノ。楽器店によると、中古ピアノは、使いこまれている分より華やかな音色が出るということです。
(5月1日『news every.』より)