「経済クラッシュに備え借金は減らせ」の意図~経営者はどう備えるべきか~
ロシアがウクライナに侵攻し、日米欧による経済制裁が強まっています。経済同友会で国際問題などの提言を担ってきた小柴満信副代表幹事(化学メーカー・JSR名誉会長)に話を聞きました。
Q.日本の経営者たちはこの局面にどう対処すべきでしょうか
ーー今のような、市場や世界情勢の変化の激しい時代、また世界的に金利の上昇局面では、経営者は無用な借金を減らし、財務の健全性、強靭性を高めておくべきです。
ーー経済が“クラッシュ”した時には、利益率に問題がなくてもキャッシュフロー(に難が生じること)で倒産してしまう企業が出てくるので、そうした成長性の高い企業を日本国内だけではなく世界でM&Aできるよう備えておくのがあるべき経営戦略です。
Q.日本経済への影響について
ーー短期的には資源価格のみならず、小麦などの食糧価格の高騰につながる。コストプッシュ型のインフレは起こると思います。
ーーコストプッシュのインフレは金融政策では抑えられず日本銀行は苦労するでしょう。
Q.市場への影響について
ーー当面はリスクオフ(慎重な売買)が続くでしょう。25日の東京株式市場での株価上昇は「一過性」ではないでしょうか。
Q.日本企業への影響
ーー日本企業のロシア、ウクライナへのExposure(リスクにさらされる度合い)は相対的に見ればさほど高くないでしょう。
ーー進出している企業は打撃を受けるとは思いますが、その割合は少ないでしょう。