ガリガリ君 20年ぶりの刷新キッカケは“こだわりの氷”への誤解
「ガリガリ君ソーダ」が20年ぶりにリニューアルされ、3月中旬から順次全国で発売されます。リニューアルの理由は、“氷”に関する消費者への調査でした。
「想定外の結果だった」。そう話すのは、赤城乳業マーケティング部の岡本秀幸さん。赤城乳業は定期的に、看板商品の「ガリガリ君」に関する消費者調査を行っています。客のニーズを把握して商品開発にいかすことが目的のこの調査。去年の調査で、それまで入れていなかったある質問が足されました。
それは、アイスの中の氷について。実はガリガリ君の氷は、ゆっくりと時間をかけて凍結させた不純物のない氷=「純氷」に、あとからシロップを混ぜたもの。この「純氷」がガリガリ君の食感の“肝”なのだといいます。
しかし、調査の回答で半数以上の人が「ソーダ味の水を凍らせたもの」だと誤解していたため「想定外だった」というのです。
■純氷を粗く削り、一層「ガリガリ」に
硬く溶けにくい純氷を使用することで実現する「ガリガリ」という食感。しかし、そうした製法のこだわりが多くの消費者に理解されていませんでした。そのことに驚いたと同時に「もっと商品の特徴を伝えたい」という思いから、商品リニューアルへと踏みきったといいます。
リニューアル後は、今よりも氷を粗く削り大きい氷の割合を増やすことで、従来よりも「ガリガリ」とした食感がより感じられるように工夫したということです。また、氷の大きさは変えたものの、原材料の配合などは一切変えていないため、希望小売価格76円(税込み)は、リニューアル後も維持されます。
■氷菓の需要が高まる季節 リニューアルの認知広まるか
「想定外だった」という看板商品の誤解から始まった、20年ぶりのリニューアル。大きな決断が消費者にどう受け止められるのか。少しずつ気温が上がり、アイスの需要が高まる季節が近づいています。