大株主のダルトン社、フジ・日枝氏を“独裁者”と批判…新たな書簡で辞任を要求
フジテレビの親会社の大株主が、日枝取締役相談役の辞任を求める書簡を送ったことがわかりました。日枝氏を“独裁者”と表現し、40年近くにわたって経営を支配しているなどと厳しく批判しています。
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ダルトン社
「どうしたらフジテレビはスポンサー、さらには視聴者の信頼を回復することができるのか」
一連の問題で揺れるフジテレビに対し、こう投げかけたのはアメリカの“物言う株主”。
ダルトン社 新たな書簡 4日公表
「答えは明白である。まず何よりも重要なことは、日枝久氏はフジ・メディア・ホールディングスとフジテレビの取締役を辞任することだ」
フジ・メディア・ホールディングスの大株主であるアメリカの投資ファンド「ダルトン・インベストメンツ」が、フジテレビ側に新たな書簡を送ったことが、4日に明らかになりました。
“物言う株主”はこれまでも…。
ダルトン社 1回目の書簡 1月14日付
「企業ガバナンスに深刻な欠陥があることを露呈している。憤りを禁じ得ない事態」
2回目の書簡は、動画撮影が許されず“閉鎖的”だと批判を受けたフジテレビの会見後。
ダルトン社 2回目の書簡 1月21日付
「信頼を回復するどころか、フジテレビの評判をさらに悪化させてしまった。皆様が引き起こした騒動は、明らかに収束しそうにない」
フジテレビに対する批判は徐々に強くなり「日枝久氏は去らなければならない」と、日枝久取締役相談役を名指しして辞任を要求しました。
ダルトン社 3回目の書簡 2月4日公表
「なぜたった一人の独裁者が、この巨大な放送グループを40年近くも支配することが許されてきたのか? 信じがたいことだ!」
日枝氏を“独裁者”と表現しました。
1961年にフジテレビに入社した日枝氏。編成局長などを経て1988年に社長、2001年には会長に就任。
現在は、巨大なフジサンケイグループにおいて、グループの代表、そしてフジ・メディア・ホールディングス、産経新聞社、フジテレビで、それぞれ取締役相談役などを務め、長きにわたって経営に関与しています。
会長時代の2005年、ライブドアによるニッポン放送株買い占め騒動では、たびたびカメラの前に…。
日枝会長(当時)
「僕はお金で僕の心は動かないと思います」
「株主、従業員、顧客、視聴者のために僕は戦わないといけない」
当時は連日、自宅前で報道陣の問いかけに答えていました。しかし、今回の一連の問題では、公の場に一度も姿を見せていません。
1月27日の会見では、次のような質問が…。
──ここになぜ日枝久取締役相談役がいないのか?
──日枝氏が最も責任が重いはずですが?
──日枝相談役が会見に出ていないことと、進退が発表されていない件について
今も“日枝体制”が続くと指摘し、厳しく批判したダルトン・インベストメンツ。書簡では、取締役会の過半数を独立した社外取締役で構成することも求めています。
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一方、信頼回復に向けて立て直しを進めるフジテレビは3日、経営刷新のための委員会を開催。委員会のメンバーを務める斎藤社外取締役は…。
フジ・メディア・HD 斎藤清人社外取締役(4日午前)
「第三者委員会の一定の結論が出るのを待たずして、随時発信していくことはもちろん、フジテレビとして発信していくことが肝要だと考えております。焦らず急げという思いで、私ども7人の社外取締役は日々対応をしていくというのが今の状態」
社外取締役らは、来週中の臨時取締役会開催を求める方針です。
(2月4日放送『news zero』より)