児童手当の所得制限撤廃、意見分かれ両論併記 財務省審議会が意見書を提出
国の財政や予算のあり方を議論する財務省の審議会が意見書をまとめ、鈴木財務相に提出しました。児童手当の所得制限撤廃については意見が分かれ、両論が併記されました。
児童手当は原則、こどもが15歳まで月1万円が支給されますが、モデルケースで、世帯主の年収が960万円以上の家庭で半額に、1200万円以上は支給されません。
この所得制限撤廃について、委員の中で見解が分かれ、意見書では「経済的に余裕がある家庭への支給は効果的ではない」と反対する意見と、「子育て世帯を社会全体で支える姿勢を示す意義がある」との賛同する意見の両論が併記されました。
給付対象の年齢上限を現在の15歳から18歳に広げる案については、16歳から18歳は、すでに1人あたり年38万円の所得控除があり、二重の補助になるとして「整理する必要がある」と控除を見直すべきだとしています。
また、少子化対策の財源について「医療・介護の歳出改革を行うべき」と明記しました。具体的には、病床確保のために給付した「巨額のコロナ補助金」が病院に積み上がっていると厳しく指摘し、年末に議論される診療報酬・介護報酬の引き上げについて、慎重な姿勢が示されました。