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“旅先で”ふるさと納税 返礼品は“その場で使える”クーポン券や電子マネー

2022年4月21日 21:41
“旅先で”ふるさと納税 返礼品は“その場で使える”クーポン券や電子マネー

ゴールデンウイークを前に、旅行先で手軽にふるさと納税ができる新たな取り組みが広がりを見せています。出掛けた先で返礼がもらえる、その仕組みを取材しました。

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神奈川・箱根町の温泉施設で、21日、お披露目されたのは、寄付額の3割がお得な返礼品として戻ってくる、ふるさと納税の自動販売機です。

納税のために書類を準備する必要なし。モニターの指示に従い、住所や氏名などを入力するだけで手続き完了です。

返礼品は、その日からすぐに使える施設利用券など。1万円を寄付すれば、3千円分のクーポン券がもらえます。

最大10連休のゴールデンウイークを前に、ふるさと納税の自動販売機を設置した、箱根小涌園ユネッサンの松山元信支配人は「納税してお得に入場して楽しんでいただいたり、お買い物、お食事をしていただければと思います」と話しました。

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旅先で手軽にふるさと納税ができる新たな取り組み。一足早く同じ自動販売機を設置した施設もありました。年間1000万人が訪れるという、静岡・御殿場市のアウトレットモールです。

自動販売機から出てきたレシートを、返礼品の「御食事券」に交換。新鮮な海の幸を「これでもか」とどんぶりに盛った海鮮丼が人気の飲食店や、フードコートなど、施設のほとんどの飲食店で使えます。

興味を示したお客さんは――

東京から来たお客さん
「納税した人にアウトレット券(御食事券)が使えるんだっていうのが一目瞭然にわかって、とてもいいと思う。もっと増やしたらいい」

その場ですぐに返礼品がもらえる仕組みについて、市長は――

御殿場市 勝又正美市長
「体験型の寄付ということで設置。おいしい料理をぜひ食べていただいて、(御殿場市の魅力を)実感していただいて寄付をいただく」

御殿場市ではほかに、市内3つのゴルフ場にも自動販売機を設置していて、昨年12月だけで1000万円を超える寄付が集まったということです。

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地域経済の起爆剤としても期待が高まる、旅先での納税。鮮やかな桃の花と、芽吹き始めた新緑がきれいな山梨・笛吹市では、納税した人が自由に使い方を決められるふるさと納税の仕組みを採用。その名も“旅先納税”です。

スマートフォンでQRコードを読み込めば、その場ですぐに手続きできて、返礼品として、市内の加盟店で1円単位から使える電子マネーがもらえます。

旅先納税加盟店のワイナリーでは、従来のふるさと納税とは違った魅力があると話します。

モンデ酒造 ふるさと納税担当・渡辺和奈さん
「売店でしか売っていないものも、お買い求めいただけるのかなと思います」

また今月には、約10万円分を寄付して、約3万円分の商品を電子マネーで購入した観光客がいたといいます。

加盟店の澤田屋酒店では、店舗で販売している商品に加え――

澤田屋酒店 早川徹店主
「お店で飲んでいただくものもすべて、(旅先納税の)対象とさせていただいてます」

市の担当者は、コロナ禍で思うように集客やPR活動ができなかったといいます。

笛吹市ふるさと納税担当 鈴木健之さん
「認知度という点では、(制度が)知られていない。発信の工夫も必要かなと」

ゴールデンウイークをきっかけに、61の加盟店と協力して街の活性化をはかりたいということです。