「一周回って刺さる」若者には新鮮…“昭和レトロ”さらに活況 「クリームソーダ」で町おこしも
「昭和レトロ」の人気がますます高まっています。1970年から80年代に人気だった、花柄やストライプの柄の家電商品などを復刻させたメーカーも出てきています。さらに、懐かしの「クリームソーダ」を町おこしに生かそうという取り組みも進められています。
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東京・池袋の東武百貨店では23日まで、昭和レトロのイベント「第3回 昭和レトロな世界展」が開催されていました。昭和の時代に活躍した懐かしのアイテムが並び、どこか懐かしい気分が味わえる空間。アルミの食器に注がれるソースに、ソフト麺など「給食セット」の提供もありました。
行列になっていたのは、長野県の喫茶店が出しているアイスコーヒーの店です。今回は“純喫茶”に注目し、目の前で牛乳とコーヒーを交互に注いでくれる商品を販売していました。
東武百貨店池袋本店・催事企画課 深井英孝課長
「年齢の高いお客さまにとっては懐かしく、若い方にとっては新鮮に映るよう。親子3世代のお客さまにご来店いただいています」
その狙い通り、客からは次のような声が聞かれました。
20代
「自分的には結構、新しい感じがしますね。レトロなものが一周回って刺さると思います」
そして、昭和生まれの人に、一番気になったものを聞いてみると――
50代
「すごくマニアックですが、密封できない保存容器。当時は全然大事にしていなかったのに、『あーこういうの持ってたな』とか郷愁の思いでついつい手に取っちゃいます」
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昭和レトロの波は家電にも及んでいます。
大手メーカー「タイガー魔法瓶」が来月から販売するのは、ボタンが「炊飯」と「保温」のみのシンプルな作りの炊飯器です。機能はあえて、当時のままにしています。
電気やガスを使わずに保温などができる卓上用のポットは、より機能を高めてアップデートさせたといいます。客の声を受け、1970年から80年代に人気だった花柄や、ストライプの柄の家電商品などを復刻させたのです。
タイガー魔法瓶・広報宣伝チーム 林優紀さん
「レトロ柄がちょっとブームになっているところもありましたので、若い方にもアプローチできればなと」
23日現在、予約を受け付けていて、2週間で1000件ほどの注文があり予想を超える反響だということです。
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昭和レトロで町をあげて取り組む自治体も出てきています。私たちは、古い町並みが残る岡山・矢掛町に向かいました。
矢掛町観光交流推進機構 佐藤武宏事務局長
「この町にぴったりのものを考えた時に、『クリームソーダ』がいいんじゃないかと」
矢掛町は、レトロな町並みにマッチし懐かしさを感じるクリームソーダで町おこしをするイベント「クリームソーダIN矢掛」を、今月末まで開催しています。フローズンマンゴーのクリームソーダや、甘酒を使ったいちごのクリームソーダなど現在、14店舗が参加しています。
23日に早速、クリームソーダを求めて“はしご”するという2人に同行しました。
20代
「見た目がかわいいので、見るだけでかわいいのでテンションあがるというか。もう1軒いこうかなと…。今、話してるのは(パンフレットに掲載されている)ここです」
2人はクリームソーダを購入し、「おいし!」「うめえ!」と舌鼓を打っていました。
20代
「2杯くらいなら余裕でいけますね」
このイベントでは、特に週末に多くの客が訪れるということです。
“仕掛け人”である矢掛町観光交流推進機構の佐藤事務局長は「(週末)この町が一瞬、若返る。東京でいうと原宿みたいな雰囲気の町になっています」と話していました。クリームソーダを飲み比べながら、町の良さを知ってほしいということです。