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経済
2020年10月12日 22:07

GoToトラベル「上限額」引き下げナゼ?

GoToトラベル「上限額」引き下げナゼ?
(c)NNN

GoToトラベルキャンペーンがスタートした7月22日から9月15日まで、少なくとも1689万人分の宿泊があり、支援額(割引に使われた額)は約735億円でした。予算全体は1兆3500億円なので、この時点でまだ6%しか使われていません。まだまだ予算はあり、10月には東京が追加されて「これから!」という矢先に、割引が減る動きが出ています。何が起こっているのでしょうか?

■割引が14000円→3500円に

じゃらん、一休.com、Yahoo!トラベルは、これまでGoToトラベルの上限と同じ最大1万4000円までの割引を設定していましたが、10日からは最大3500円に変更しました。 

楽天トラベルは、これまでGoToの期間中であれば何度でも利用できるとしていましたが、9日からは、1会員につき予約は1回までに制限しています。 dトラベルは一時販売を中止。11月に再開する予定ですが、 消費者にとってわかりにくい状態になっています。 

■いきなりの割引額減額 背景に給付金の仕組み

例えばdトラベルの場合、ホームページに「ご好評につき“給付金額の予算上限”に達しました」と明記されています。 国全体の予算とは別に、旅行業者それぞれに振り当てられた予算の枠があるからです。

その仕組みを説明します。 
まず、業者が給付金をもらうために事務局に申請します。 
申請を受けて事務局がどのくらいの金額にするかを決めます。 その金額の判断材料は、前年度の取り扱い実績、今後の販売計画などの書類です。 こうして会社ごとに給付金が配分されるのですが、この給付金が足りなくなっているという事態が起きています。そのため、企業によってばらつきがあるということです。 

■なぜこんな事態に?2つの疑問

給付金がなくなりそうな段階で「このままではなくなるため給付金を追加して」と業者が再申請すればいいのではと思いますが、実は申請のタイミングが2か月ごとと決まっています。今なくなったとしても、次に申請できるタイミングまで待つしかありません。 

次に、最初の額を多く見積もっておけばよかったのではないか、という疑問があります。GoToトラベルは初めての事業で、最初は前年度の実績で判断するしかなかったため、コロナ禍でどういう売れ行きになるかなかなか配分として読めないということがあったと思われます。 コロナが起きる前の実績だからです。

■大手旅行会社は減額せず、その理由は?

予約サイトを運営する会社が、軒並み割引を縮小しているのに対して、大手旅行会社のJTBやHISは通常通りです。つまり、給付金にまだ余裕があるということです。 

その差がなぜ発生するのでしょうか。
航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さんに聞きました。

JTBやHISは店舗型が主流ですが、今はコロナの影響で店舗を訪れる人が減っている、さらに修学旅行とか団体旅行の予約は予約サイトではなく、大手旅行代理店が請け負っていますが、今は団体旅行も減っているということです。
GoToトラベルの利用は、個人旅行が中心となっているため、手軽に予約できる予約サイトに集中したことが、背景にあるとみられるということです。加えて、10月から東京発着の旅行が対象になったことで、さらにお客が殺到したとみられています。 

■旅行熱が高まってきたところに水を差す事態

今回の事態でどのような影響が出るか、鳥海さんによると、大きく影響がでるのが旅行者と、中小の宿泊施設 。割引が下がることで旅行をキャンセルする人もでており、また、中小の宿泊施設は取り扱いのほとんどを予約サイトに依存しているのが実情だということです。 そのため、予約客1人ずつに、満額の割引ができないと手間かけて連絡している旅館やホテルもあるそうです。予算が余っているのに問題で、せっかく旅行熱が高まってきたところに水を差す事態になっているということです。

■観光庁は対処を検討 焦らないで

事態を受けて観光庁は、事業者に対して、さらなる給付金の配布を検討しているということです。つまり、割引額は元に戻る可能性があり、早い者勝ちという状況ではありません。焦って窓口に押し寄せて、密になるようなことがないように、冷静に情報を集めて行動してください。

(2020年10月12日 16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)