【解説】高値続く電気・ガス・ガソリン代… 「補助金」延長も霞が関からは“ため息”…そのワケは?
高値が続く電気・ガス・ガソリン代。“今月末まで”とされていた政府の支援策は、いずれも“年末まで”延長されることに。家庭にとっては嬉しい支援策ですが、霞が関の官庁から聞こえてくるのは“ため息”。気になるそのワケを、経済部・戸田記者がイチから解説します。
■一時は“過去最高値”も…ガソリン代
今週月曜日時点のレギュラーガソリンの全国平均価格は、先週より1円50銭安い180円50銭でした。価格の推移を見ると、一時は186円50銭と過去最高値を更新するなどしていました。
■なぜここまで高く…ガソリン高騰のワケ
主な理由は3つです。1つめは、原油価格の高騰です。去年6月以降、原油価格は下落傾向だったのですが、ことし7月からサウジアラビアなどの産油国が、原油の生産量を本格的に減らすなどしたため、価格が上がってしまったのです。
さらに2つめは、円安の進行です。「ガソリン補助金」が開始された去年1月時点では1ドル=115円台だったのに対し、現在は148円台と、30円以上円安が進んでしまったため、輸入する際の価格が上がってしまったのです。
3つめは、補助金の縮小です。元々、政府はガソリン価格の負担軽減策として実施してきた「ガソリン補助金」を今月末で終わらせるため、ことし6月以降、補助を段階的に縮小させていました。つまり、その縮小分、直近の価格が上がってしまったのです。
ところが、今月中旬からは一転、3週連続の値下がりとなりました。政府が「ガソリン補助金」の「拡充」を決めたことが大きな要因です。
先月末、政府は「ガソリン代が高い」などの国民の声を受け、この補助金を年末まで延長すること、さらに1リットルあたりのレギュラーガソリンの全国平均価格をまもなく始まる10月中には175円程度に抑えることを決めました。
ある政府関係者は、「国民が値下がりを実感できる水準に抑えることが必要だった」と振り返っています。